●政治の生産性~政治家数の日米比較
議会でも日本の議会の参議院は、アメリカの上院と一緒、早く言えば。アメリカの上院議員というのは100人以下。人口が(日本の)2倍あるのに。だから日本が100人であれば、アメリカは200人でもいい。ところが、日本は250人。アメリカは100人。人口が倍あって、そうして議員は半分。いや4分の1、アメリカは。日本は多すぎる。そして、一人の参議院議員を選挙するのに最低5億円いる。多い人は10億円いる。これではやっていけない。
日本はほぼ一民族一言語。日本は国が小さいゆえに、(人口は)1億もあるけれど、ほぼ一民族、ほぼ一言語。だから、非常にそのまとまりが早い。だから、政治費用は5分の1でできる。アメリカは国が25倍ある。それだけ人口がばらばらに住んでいる。しかも、人種が混合民族だから、黒人もあれば、アジア人もあるし、西洋人もあるし、いろんな国民がいる。だから、がんじがらめに法律でくくって、それで法律万能によってやっている。だから法治国家。日本でも法治国家で法律によって決めているけれど、日本は皆さんの家庭に顧問弁護士は置いていない。アメリカに行ったら君、各個人が顧問弁護士を持っている。何でも法律によって決めている。
だから、アメリカで10億の国民で100人の上院議員で済むのであれば、日本は50人で済む。それが、250人も議員がいる。多すぎる。土地が狭いから、その狭さを利用すればもっと早くいく。もっと少なくできる。だから、40人でもいい。30人でもいい。それを250人でやっている。それで、けんかばかりしている。これでは君、金がいるのは当たり前。今のことはだんだん、事あるたびに増えていく。
まあいろいろある。他にもいろいろたくさんあるけれども、もっと政治を合理化して、日本式にやらなければいけない。日本の民族は、固有の民族は、固有の習慣、風俗を持っているのだから、それを活用しないといけない。そして、同じ民主主義でも、日本式民主主義というものがある。そうしたら、5分の1の公共料金でいける。最近、国がやっている公共料金が全部上がっている、次々に。そういうことを考えてみると、本当の日本の政治というものを、日本で生み出さないといけない。「日本はこうするんだ」「やれる」と。そして、「日本のいいところを取りなさい」ということを、世界に示す。そんな政治をわれわれがやらないといけない。
●政治の生産性~議員定数削減/野田佳彦
29歳から県会議員を始めて、もう30年近くいわゆる職業政治家でやってきていますが、生産性という考え方は、とても大事な観点です。
もう一つ大事なのは、やはりきちんと民意を反映して、丁寧な議論をして成案を得るというのは、民主的な政治です。
この二つをどう両立させるかだと思うのですね。社会保障と税の一体改革、あれは国会の中で230時間の総質疑時間なのです。安保国会に次いで、戦後2番目の審議時間でした。国会の質疑は230時間ですから、政党、党内での議論などではもっと時間をかけてやっています。
生産性だけではなく、やはり丁寧に成案を得るという努力が、一つの政治の要諦なのです。一方で、丁寧にやることはいいのだけれども、それに関わる人の人数ですね。
人口はアメリカが2倍、だけど、定数は日本の半分で上院はやっている。それだけ、4倍、生産性が高いということですね。丁寧な議論をちゃんとやるけれども、関わる人の人数はこれでいいのか、規模はいいのかということは、もう一方でやはり考えなければいけないことだと思います。そのことについて、松下さんはやはり問題意識を持っていらっしゃったと思います。
私も生産性について具体的に言うと、日本の場合は議員定数削減なのですね。議員定数削減。それは、安倍さんとの党首討論でも、それを実現させるために安倍さんに約束を迫ったわけですが。残念ながら、まだ実現しきれていないですから。これはやり遂げたいですね。
国民の見ている前で約束をしたことでもありますので、野党にはなりましたけれども、あらゆる機会を通じて、その実現に向けて全力を尽くしたいと思います。それは、せめて松下さんに教わったことの中のごく一部かもしれませんけれども、今、自分ができることの中で射程に入っていることですので、やり遂げたいと思います。
●党首討論/2012年11月14日
安倍 近いうちに、国民に信を問う、と。総理の決意をお伺いしたいと思います。
野田 定数削減は、やらなければいけないのです。消費税を引き上げる前に、お互いに、国民の皆様に約束したことを、この国会で結論を出そうじゃありませんか。
最悪の場合でも、必ず次の国会で定数削減をする。われわれ与党と野党第一党が決断をして...