ダイナミック・ケイパビリティ~組織の戦略変化
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
大学にケイパビリティがあるか?―日米の大学経営の違い
ダイナミック・ケイパビリティ~組織の戦略変化(7)質疑応答
谷口和弘(慶應義塾大学商学部教授/南開大学中国コーポレート・ガバナンス研究院招聘教授)
慶應義塾大学商学部教授・谷口和弘氏による質疑応答編。今の大学や大企業にケイパビリティはあるのか。日本は終戦以来、文理の壁を超えられていないのではないか。消極的な現代の若者にどう接すればよいのか。興味深い質問に対して、谷口氏の答えとは。(2016年6月23日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「ダイナミック・ケイパビリティと戦略経営」より、全7話中最終話)
時間:9分10秒
収録日:2016年6月23日
追加日:2016年10月11日
≪全文≫

●大学にケイパビリティの芽はあるか


―― 大学の経営にケイパビリティはあるのか。またこれからの大学そのものに、ケイパビリティを生む可能性はあるのか。

谷口 最初のご質問である、大学に今日話したようなケイパビリティが果たしてあるかということですが、これは、努力はしているけれども、世の中の変化に対して、企業の方々がキャッチアップすることに比べると、大学はかなりスローだと思います。もっといえば、文部科学省はもっとスローである気がします。そういうところに問題があります。

 これに対してアメリカでは、実際の大学経営には経営の専門家がいるわけで、その専門家が大学を経営します。ところが日本の場合、例えば私がいる慶應義塾大学では、塾長は選挙で選ばれています。学部長レベルの経験者が、選挙で選ばれるという形になっているわけです。ですが、彼らが組織運営のプロフェッショナルかというと、あいにくそうではないと思います。そこがすごく問題で、何か痛いところを突かれたというか、そういう質問だと思います。

 でも逆にいえば、そういうところをこそ変えていかなければいけないと思います。二番目の質問に関わりますが、私たちの学部は学生たちに対し、何を提供できるのか。こう問うたとき、世の中に対する変化ということでいえば、まずグローバル化がいわれています。特に私たちは商学部ですから、こういった経営の問題、マーケティングの問題、あるいは会計の問題などを扱う学部です。そのためどうしても実業の方の力を借りなければいけません。

 そこで私たちが教えられるのは、やはり眼鏡(フレームワーク)なのです。学生に対しては眼鏡を提供するということです。実際に皆さんがどうしようかと苦労して、命懸けで行っている事業とは違います。皆さんの事業を比較するといったら失礼ですが、見せていただいているという感じです。それを客観的に整理し、企業はどうやって成長してきたのだろうかといった、その仕組みを明らかにするのが、私たちの仕事です。

 ですが、仕組みを明らかにすること、そしてそれを論理的に話すことと、実際に皆さんが取り組んでいることとの間には、どうしてもギャップがあります。しかし、学生たちは、その生々しい話や生々しい知識、あるいは実践の知を必要としているのです。だから私たちはどうしているかというと、経営者の方々を招いて話を聞...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
マザーテレサとの出会い
人生を変えたマザーテレサの言葉…あの人たちはキリストだ
上甲晃
億万長者への道(1)お米屋さんから不動産業界へ
「背広を着てビジネスがしたい」との思いから宅建取得
高橋誠一
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正

人気の講義ランキングTOP10
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦