現代ドイツの知恵と経験に学ぶ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
経済面や歴史対応で日本がドイツに学ぶべき点とは?
現代ドイツの知恵と経験に学ぶ(6)経済と歴史対応
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
日本が抱える三つの難問に、ドイツが与えてくれる知恵を探すと、経済面ではシュレーダー元首相が、歴史対応についてはメルケル首相が手本になりそうだ。公立大学法人首都大学東京理事長・島田晴雄氏の案内で、ドイツから学ぶべき体験と方法に注目してみよう。(全7話中第6話)
時間:15分37秒
収録日:2017年9月12日
追加日:2017年11月13日
カテゴリー:
≪全文≫

●諦観論・悲観論からシュレーダー改革への注目へ


 そこで、具体的に以上の三つの点について、ドイツから学ぶものはあるのかということを考えてみたいと思います。

 一つは、今こそ日本にはシュレーダー改革に学ぶことが大きいのではないかということです。

 先に、日本の経済は財政赤字が累積していて、いつそれが財政危機から財政崩壊に進んでもおかしくないリスクが高まっているといいました。また、アベノミクスでは成長戦略がとりわけ大切ですが、これまでのところ経済成長については政権が期待するような成果はあまり出ていません。とはいえ、取り組みが開始されてからまだ4年半しかたっていないので、アベノミクスが成功だったか否かの判断を下すのはまだ早いかもしれません。

 経済成長については、人口が減少する成熟経済では成長は難しいという諦観論があります。実際、日本では、人口が0.7パーセントほど減少しており、仮に1人当たり生産性の上昇が1パーセント強とすると、潜在成長力は0.3パーセントくらいというのが多くのエコノミストの見方です。なぜ1人当たり生産性の上昇が1パーセント程度かというと、日本はかつてのような製造業が主導する経済ではなく、サービス業主導の経済になっているためです。そういう状況では、アベノミクスで構造改革をしても経済成長の効果は期待できないという悲観論も多く聞かれます。

 しかしシュレーダー改革は、このような先進成熟国にほぼ共通する考えを覆したといえるでしょう。改革の結果、労働と社会保障コストの弾力化を敢行して、生産性と企業の業績は大いに高まり、経済成長は加速し、減税をしながらも税収は増加し、政府の債務が着実に減少しました。2017年にはマーストリヒト条約で基準とされた政府債務のGDP比60パーセント(以内)も、欧州で唯一実現の見込みがあるとされています。

 このような成果が、日本と経済構造などで多くの共通性を持つドイツで実現しているという事実を私たちも安倍政権ももっと注目し、分析して、他山の石とするべきではないかと思います。


●ドイツ中堅企業とスタートアップの活力に学ぶ


 二番目は、ドイツは中堅企業に大変力があり、スタートアップ企業の活力も非常に目覚ましいものがあるということです。このあたりからも、日本は学ぶことが多いのではないかと思います。

 日本とドイツは、ともに中堅企業・...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教

人気の講義ランキングTOP10
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
編集部ラジオ2026(2)「時代の大転換期の選挙」特集を解説!
「大転換期の選挙」の前に見ておきたい名講義を一挙紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
医療から考える国家安全保障上の脅威(5)日本の医療の問題点と提言
なぜ日本の医療はテロに対応できないのか?三つの理由
山口芳裕