これからの社会と働くということ
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一人の人間の弱さを知り、弱者の視点に学ぶ
これからの社会と働くということ(6)生きる基本<下>
古賀伸明(日本労働組合総連合会(連合)第6代会長/公益社団法人国際経済労働研究所 会長)
日本労働組合総連合会(連合)第6代会長の古賀伸明氏が「これからの社会と働くということ」について論じるレクチャーシリーズ。最終話は、働き・暮らし・生きる基本についての後編をお届けする。テーマは政策立案・実現能力の強化、意思決定のあり方とタイミングの重要性、行動・実践・アクションなど。最後は「漫然と迎える」から「主体性を持った新しい創造で築く」未来へ。古賀氏ならではの持論が開陳される。(全6話中第6話)
時間:10分38秒
収録日:2017年12月27日
追加日:2018年3月15日
≪全文≫

●一人の人間の弱さを知り、弱者の視点に学ぶ


 私たちがいつも気を付けなければならないことは、「一人の人間は弱い」ということです。

 社会や組織には、強い人もいますが、弱い人もいます。ふっと魔が差して、「あれ、この人がこんなことをする?」というような場面に立ち会ったことのある方もいらっしゃると思います。これが、一人の人間は弱いということです。

 加えて、組織や企業の中には、仕事がテキパキできる人もいれば、少し時間がかかる人もいます。それが組織や企業というもので、みんながテキパキする企業など、気持ち悪くて近寄れないですね。しかも、仕事ができる・できないというのは、ほとんどが相対評価です。もちろん、中には絶対評価できるような職種もありますが、たいていは相対評価で、「あの人に比べてできない」わけですから、「できない」人10人を切り捨てたとしても、また「できない」人が生まれてしまうのです。

 産業革命後の工業化社会は、企業の中でテキパキできる人がえらくて、そうでない人はダメだという評価で人の価値を測るようになりました。私は、これは非常に大きな罪だと思います。私たちは、人の価値を多面的に見なければなりません。そして、少し立ち止まって、弱い人や仕事ができない人、テキパキできない人の目線で組織や社会を見る。このことが非常に重要ではないかということを、私は多くの人たちから学びました。


●自己研鑽・自己革新に向かう二つのコツ


 それを行うためには、自分自身が自己研鑽し、自己革新しなければなりません。そして、私たち自身が政策を立案していくことも非常に重要です。「政策を立案」というと大げさですが、自分の考えを明確に持つということです。

 そのためには、自分自身に負荷を掛ける必要があります。筋肉でも、過度な負荷はダメージになるけれども、負荷を掛けなければ、なえていきます。入院した人は経験があると思いますが、1週間もベッドに寝ていたら、歩くためにはリハビリをしなければなりません。同様に私たちは、精神にも常に負荷を掛けておく必要があるのです。

 私は自己研鑽や自己革新をするためには二つのポイントがあると思っています。一つは、異分野や異質から学ぶことです。違う分野で活躍している人、あるいは自分とは違う異質な人から学ぶわけです。同質の協力は足し算にしかならないけれど、異質の協...

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