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「オンライン診療」は日常診療を補完する

在宅医療とオンライン診療(2)オンライン診療の取り組み

武藤真祐
医療法人社団鉄祐会 理事長
概要・テキスト
外来診療では、患者さんが症状をうまく説明できなかったり、医師の指示を忘れてしまったりということが起こりうる。オンライン診療は、そのような状況を補完し、症状を細かくトレンドで確認することができる、と医療法人社団鉄祐会理事長の武藤真祐氏は説く。(全4話中第2話)
時間:11:36
収録日:2018/03/30
追加日:2018/08/27
キーワード:
≪全文≫

●以前は救済的な医療の形式だったオンライン診療


 医療法人社団鉄祐会理事長の武藤真祐です。今回は、オンライン診療についてお話ししたいと思います。

 オンライン診療は、まだ聞き慣れない言葉かもしれません。「遠隔診療」「遠隔医療」という言葉は、おそらく皆さんも耳にされたことがあるかと思います。遠隔医療は、かなり昔から実証的には行われており、基本的には医療を遠く離れたところでも行っていくという概念です。

 遠隔医療は大きく2つに分けることができます。1つは「Doctor to Doctor」と呼ばれるように、医師同士が遠隔で相談し合うというものです。2つ目が「Doctor to Patient」と呼ばれるように、医師と患者さんの間で行われるものです。

 まず、「Doctor to Doctor」ですが、これはすでに診療報酬にも入っていまして、例えば病理もしくは放射線の世界で使われています。病理医が少ないということが今よく言われていますが、ある病院で撮った病理の組織の画像を病理医がたくさんいるところに転送して見てもらう、もしくはCT(Computed Tomography:コンピューター断層撮影)やMRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)に撮ったものを他のセンターの先生に診断してもらうといったものです。

 次の「Doctor to Patient」が、今回オンライン診療と呼ばれるところです。以前は離島やへき地、つまり医療が不足している地域で実証的に行われてきました。例えば、遠く離れた島で、専門の先生がいないときに本土の先生がビデオ電話のようなものを通じてお話をします。もしくは「Doctor to Nurse to Patient」と呼ばれるように、看護師さんが間に入る形で横にいて、患者さんと話をするといったものが行われてきています。ただ、これは非常に限定的な利用になっており、医療支援が非常に足りないところに対して行われる、ある意味救済的な医療の形式であったのです。


●2018年4月、診療報酬の中に初めてオンライン診療が導入


 ところが、最近大きく動き出しましたのは、2016年11月に安倍晋三首相が未来投資会議において、「遠隔診療を進めていく。これに対して診療報酬もつける」としたところから始まっています。

 それは、私も医師としては非常によく分かるのですけれども、ビデオを通しての診察というのは非常に通常の診察とは違います。対...
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