在宅医療とオンライン診療
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
AI時代の医師の役割と求められる3つの能力
在宅医療とオンライン診療(4)海外展開とAI時代の医師
武藤真祐(医療法人社団鉄祐会 理事長)
日本式の在宅医療、地域包括ケアのシステムは、どのように海外に展開されているのだろうか。医療法人社団鉄祐会理事長の武藤真祐氏が、シンガポールでの取り組みをはじめとする海外展開、またAI時代の医師の役割と求められる能力について語る。(全4話中第4話)
時間:12分05秒
収録日:2018年3月30日
追加日:2018年9月3日
≪全文≫

●シンガポールで進めている日本式の地域包括ケア


 医療法人社団鉄祐会理事長の武藤真祐です。最終回は、われわれが今の海外でやっていること、そしてAIやVRなどいろんな技術が進んでいく中でできること、できないこと、それらについて考えたことを説明します。

 まず、われわれは今シンガポールで、日本式の地域包括ケアを提供する事業を進めています。これは、もともと私が「インシアード(INSEAD)」というフランスのビジネススクールのエグゼクティブMBA(EMBA)に通うためシンガポールのキャンパスに入学し、現地の情報を得ながら、日本型の医療の海外展開を考えたというところから始まっています。最終的にはEMBAのクラスメイトと一緒に起業することになりますが、思ったより大変でした。

 その理由の1つは、日本で通常行われていることとは違い、保険が在宅医療をカバーしていませんから、手出しで全て払わなければいけなかったということです。医師が訪問していくと、1回で3万~4万円ほどかかかりますから、これを定期的には払える人は非常に少ないのです。

 もう1つは、そうした保険制度が整っていないだけではなく、在宅医療自体、広まってないものですから、それを行う医師や看護師さんが少ないということです。もしくはその理解が病院側にもないということで、要するに在宅医療というものが文化としてまだまだ浸透していなかったのです。

 したがって、われわれが「日本の地域包括ケアはいい」と思って始めても、ゼロから制度をつくるような話になり、大変だったのです。

 結果として、われわれは看護師さんを雇用し、日本でいうところの「訪問看護ステーション」のようなものをつくりました。この看護師さんは、日本でいうところの「ケアマネージャー」、つまり訪問してアセスメントをし、プランを立てて、そしてさまざまな人をコーディネートする、といった役割を果たしています。

 それから、24時間365日の訪問看護の提供を行っています。また、訪問薬剤師的な仕事もあり、訪問して残っている薬や副作用の確認を行ってきます。

 もう一つ重要なことがあります。われわれが診ているようなアッパーミドルクラス以上の方たちの家にはだいたい、住み込みのメイドさんや「ドメスティックヘルパー」と...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
睡眠と健康~その驚きの影響(1)睡眠が担う5つのミッション
寝ないとよく食べる…睡眠不足が生活習慣病を招く理由
西野精治
睡眠:体、脳、こころの接点(1)睡眠とは?
なぜ睡眠は生きるために必要?脳にある覚醒中枢と睡眠中枢
尾崎紀夫
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
水島昇
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
老いない骨のつくり方(1)高齢化と骨の病気
健康寿命に大きく影響する骨粗鬆症・歯周病・変形性関節症
鄭雄一
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓