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バーチャルリアリティ映像で海没潜水艦を再現しよう

五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査(6)甦った伊47

浦環
東京大学名誉教授/株式会社ディープ・リッジ・テク代表取締役
概要・テキスト
浦環氏は伊36と伊47の特定を、細かい水中画像と模型による海没前の姿とを比較することで可能とした。さらに、水中に立っている伊47をバーチャルリアリティ映像として再現してみせた。甦った潜水艦を、ぜひご覧いただこう。(全8話中第6話)
時間:07:49
収録日:2018/03/23
追加日:2019/03/02
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≪全文≫

●伊36か、伊58か


 それから、これは呂50ですが、先ほど申しましたように、形がはっきり残っているのでいいですね。

 伊36を見てみましょう。伊36は7番です。つまり、ディスカバリーチャンネルが伊58だと言ったものです。これはブリッジが見えていて、割と全体の形が残っています。ブリッジが非常によく保存されています。

 これがブリッジを後ろから見たところです。ここに人が出入りするところの切り込みがあります。ここに手すりがあって階段があります。それから、ここにトイレだと思われるドアがあり、右舷と左舷、両方にあります。この切れ込みはこれに対応しています。

 それから、これはフォア(船首)のところの窓がこう見えていて、電探という道具が付いています。左の画像だけを見ると、伊58ではないかという気がするのですが、右の画像を見れば伊58でないことは、一目瞭然です。

 これは大渕克さんという人が作った模型です。大渕さんはわれわれのデータの基になっている、アメリカの連合軍が海没処分する前に撮った映像を基にして模型を作っています。

 伊36に電探が付いています。それから、もちろん伊58にも電探が付いています。ここの形を見たところ、ほとんど同じです。窓は少し違うのですが、ぱっと見はなかなか分かりにくいです。ここの後ろを見てください。ここは手すりがこのように棒状のものになっています。ここにはシュノーケルが付いているのですが、伊36はそれが付いておらず、つるっとしています。

 それからここに出入り口があって、はしごがあります。よく見えませんが、ここにはドアがあって、トイレだと思われるものが上と下に付いています。

 これはもちろん、データを基にしていますが、それぞれの模型を見ると、明らかに違います。いいですか。

 そうすると、この画像を見てください。

 これは後ろから見たところで、この部分を見ているところですが、どう見てもこれではないです。ですから、7番は絶対に伊58ではありません。あるとすれば伊36か、ひょっとしたら伊47かもしれません。私は伊47かなと最初は思っていたのです...
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