五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
水抜き穴の形状の違いが伊58特定の決定打になった
五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査(5)伊58の特定
浦環(東京大学名誉教授/株式会社ディープ・リッジ・テク代表取締役)
浦環氏が、実際のROV調査について説明する。その結果、ディスカバリーチャンネルとは異なる結論に達したわけだが、浦氏はどのようにして伊58の特定に至ったのだろうか。そこには10日間に及ぶ、細かい映像の比較の格闘があった。(全8話中第5話)
時間:12分01秒
収録日:2018年3月23日
追加日:2019年2月23日
≪全文≫

●五島の沖合での調査の実態と順序


 それで、場所はここです。これは五島列島です。これは長崎県で、長崎はここです。それから佐世保がここです。先ほど集まっていたのが、この佐世保の沖合のところから、この辺、ここです。庵浦というのですが、そこに集まってからここに行って、海没処分されました。私たちは、まず7番に行き、ROVを潜らせました。

 なぜならば、われわれが想像するに、2004年にディスカバリーチャンネルが見たのは7番であるという強い確信があったからです。それはいろいろな理由があるのですが、彼らは7番のことを伊58だと言いました。

 われわれは伊58と呂50を探して特定するので、これが伊58であれば、もう10年前に分かっていたことなので、何をやっているのかということになります。しかし、われわれは「これは違う」と思い、まず7番を確認しにいったのです。

 とにかく丸4日間で全部やらなくてはならず、時間がないので、近くから順番に効率よく、全部調査をしました。まず6番、その次が長い17番です。これは非常に長い。それから、その次にこの25番を経由して20番に行きました。20番も割と長いです。それから、この19番も長いですが、こう行って、24番は斜めに立っている潜水艦です。これをこのように行って、18番へ行って、次はこちら側の1番です。1番も割と長いです。それから、Uターンして2番、3番、4番、5番を見て、12番、13番、11番と行って15番です。それから14番は、これは伊402ですので、その後に10番と22番に行って、21番と9番に行って、ワンラウンド終了というわけです。


●分かりやすい潜水艦から、順次特定する


 大体、1日半でクリアして、次にまた再確認に行きます。実際にはなかなか今説明した時系列通りにはいかないのですが、伊36、47、53、58は、活躍した重要な大型艦です。これをどのように特定したかは、必ずしもこの調査の順番がこうだからということではないです。分かりやすいものから、順次特定していきます。最終的に、伊58は24番であるということで、決着がつくわけです。

 非常に悩んだのは、1番か24番が伊53か58のどちらかであることが分かりましたが、どちらがどちらであるか、なかなか決着がつきませんでした。最終的にこの決着がつく...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査(1)目的と潜水艦史
海底に突き刺さる旧日本海軍の潜水艦「伊58」を特定!
浦環

人気の講義ランキングTOP10
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(2)MAGAの矛盾と内戦の現状
MAGA内戦勃発…なぜトランプがMAGAの敵になってしまうのか
東秀敏
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏