若狭湾海中調査と潜水艦曼荼羅
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
呂500とその周辺のストーリーを形にした潜水艦曼荼羅
若狭湾海中調査と潜水艦曼荼羅(4)曼荼羅と若狭湾の調査
浦環(東京大学名誉教授/株式会社ディープ・リッジ・テク代表取締役)
個々の潜水艦を取り巻くストーリーは、相互に関連している。浦環氏が、呂500を中心とした潜水艦曼荼羅を用いて、連関する潜水艦とその周辺の人々のストーリーについて解説する。若狭湾での調査も、昨年彼らのチームが行った伊58の調査の過程で得た情報が手がかりとなっていた。(全10話中第4話)
時間:11分34秒
収録日:2019年3月14日
追加日:2020年3月5日
≪全文≫

●呂500とつながるさまざまなストーリーを形にした潜水艦曼荼羅


 これはわれわれの潜水艦調査に関係する、呂500を中心とした潜水艦曼荼羅(まんだら)です。この潜水艦曼荼羅をつくった理由は、単に呂500だけではなく、それにまつわるいろいろなストーリーが呂500から発生していて、戦後の日本までにも影響していることをお示ししたいと思ったからです。

 ここでは自殺したユーボートのU-511の最初の艦長である、シュタインホフを取り上げます。彼はなぜ自殺したのでしょうか。もちろん尋問で責められましたが、それだけで自殺するようなことは、普通はないと思います。

 ユーボートのU-511は、シュタインホフが艦長の時に何をしていたかというと、実は船からロケットを撃つ実験をしていました。ヴェルナー・フォン・ブラウンが開発していたV-1ロケット、V-2ロケットを海上から発射する、潜水艦から発射するという実験です。ブラウンと一緒にロケット開発を進め、その実験を指揮していたのが、フリードリッヒの兄のエルンストです。恐らくアメリカはフリードリッヒに対して、兄のこととロケットのことに関して尋問したのではないかと思います。彼はおそらく何も言いたくなかったために、これ以上耐えられないといって、最終的には自殺したのではないかと思っています。最後は彼はU-873の艦長を務めていました。
 
 彼が亡くなったのちしばらくたって、フォン・ブラウンとエルンストはアメリカに行ってロケット開発に携わります。当時のアメリカのロケット開発はうまくいっていなかったのですが、フォン・ブラウンが新しいロケット開発のプログラムを作り、成功に導きます。そうした過程にユーボート、呂500が関係していて、前の艦長は先ほど述べたような事情で亡くなっている。とても印象深いことです。

 それからフリッツ・シュネーヴィントですが、彼は父親の勤務先であるインドネシアで生まれています。弟も潜水艦乗りとなり、コマンダンテ・カッペリーニというイタリアの潜水艦に乗りました。なぜイタリアの潜水艦に乗っているかというと、イタリアが降伏したのちも続いていた日独伊の同盟に基づき、イタリアの潜水艦をドイツが受け継いだからです。
 
 この潜水艦はおそらくユーボートのイタリアという意味でUITという名前を与えられ、さらに24という番号を付けられました...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子
現在の宇宙の姿(1)星はなぜ自ら輝くのか
星はなぜ自ら輝くのか…宇宙と銀河の「現在の姿」を概観する
岡村定矩
IoTとは何か~モノのインターネットの本質(1)TRONは究極の「縁の下の力持ち」
坂村教授が開発したTRON―知られざる世界標準
坂村健
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(2)良き対話のための「問い方」の技法
良き対話のための「問い方」の技法とは?…ソクラテス流に「YES、NO」で答えさせ、お互いの考えを確認して進む
納富信留
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(1)チェレプニン賞に輝いた無名の作曲家
映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭が直面した「日本と東洋と西洋」そして「近代の超克」
片山杜秀
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
歴史から考える「ロシアの戦略」(1)ロシアの基本戦略と行動
なぜウクライナに侵攻?弱小国を狙ってきたロシアの歴史
山添博史
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人