●日本海側に大きな被害をもたらした2014~2015年の雪
前回は、最近の雪氷災害として2017~18(平成29~30)年の冬の状況についてお話ししました。今回は、同じようにたくさん雪が降り、さまざまな障害を起こした2014~15(平成25~26)年の冬を振り返ります。
地図上の色分けが、気象庁のまとめた積雪深の平年比で、赤ければ赤いほど例年よりも多く雪が降った地点です。
この冬は日本全国、特に日本海側で雪がたくさん降り、いろいろな障害が起きました。北海道では大雪・吹雪による長期通行止めがありました。西の方ではシリーズ第3話でお見せした徳島県の着雪による災害も起きています。新潟県内でもたくさん雪が降り、妙高市や湯沢町などでいろいろな災害が起きました。
●多くの建物を壊した、雪の合間の気温上昇
この年は、建物の倒壊が非常に多かった年です。倒壊事例をまとめて表に示してみました。北海道、東北、北陸地方まで、いろいろな建物の倒壊例がありました。
こちらは各地で建物が倒壊したときの新聞記事です。雪の重みで住宅がつぶれたり、物置がつぶれたり、発電所のような丈夫な建物もつぶれてしまうという事態が、2014~2015年の冬期には起こっています。
倒壊の原因の一つは雪がたくさん降ったことですが、雪が降らなかった時も(気候が)悪さをしたということが最近分かりました。
グラフ上、水色の線が積雪深の変化です。雪が降るとこの線が右肩上がりになり、下がっていくのは雪が降っていないときということになります。
雪の降っていない時間帯に注目すると、気温が結構高いこと、雨が降ったりしていることが分かります。たくさん雪が降った後に気温が上がり、雨に変わります。その後、また冷え込んで雪が降ります。そうすると、降ってきた雨が雪の中に染み込んでいくので、雪がスポンジのように水を吸って重くなります。そのため、多くの建物が雪の重みで倒壊することになったのです。
このことは、最近になって分かってきました。雪の量だけでなく、雪の降らない間も、災害に直結するような原因が出ているということです。やはり今後、研究を進めていくべき部分だとい...