宇宙ビジネスの現在と未来
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
宇宙ビジネスでイノベーションを起こすには基礎科学が重要
第2話へ進む
人工流れ星の実現を目指す宇宙ベンチャー起業への経緯
宇宙ビジネスの現在と未来(1)人工流れ星が果たす役割
これまでは「宇宙への進出」といえば、国を挙げての一大プロジェクトという印象が強かったが、ここにきて民間企業の「宇宙ビジネス」への投資が加速している。人工流れ星の実現を目指す宇宙ベンチャー・ALEの代表取締役社長である岡島礼奈氏が語る「宇宙ビジネスの現在と未来」とは?(全5話中第1話)
※インタビュアー:柳川範之(東京大学大学院経済学研究科教授)
時間:10分34秒
収録日:2019年9月10日
追加日:2019年11月28日
≪全文≫

●流れ星で「科学を社会につなぎ 宇宙を文化圏にする」


柳川 みなさん、こんにちは。東京大学経済学部の柳川と申します。今日の対談では、株式会社ALE(エール)の代表取締役で理学博士の岡島礼奈さんにお越しいただき、いろいろとお話を伺うことになっています。

 後ろにすごい模型がありますが、まずエールがどういう会社かをお話しいただけますか?

岡島 はい。こちらに模型がありますとおり、人工衛星をつくっています。そして、人工衛星に流れ星の元となる粒を詰めて、宇宙空間に打ち上げています。ちなみに、粒はこのくらいの大きさです。そして、人工衛星からこの流れ星の粒を放出すると大気圏で燃え尽きるのですが、それを地上から見ると流れ星として楽しめる。そういったことを手掛けようとしている会社です。

 さらに、流れ星は高層大気と呼ばれるところで燃えるのですが、その部分のデータを取得して、気候変動の研究であったり、スペースデブリ(宇宙ゴミ)を安全に廃棄することなどに応用しようとしています。

柳川 なるほど。最初にこの収録の話が来たとき、流れ星を人工的につくる会社だというお話を聞いたので、エンターテインメントビジネスを展開されているのかなと思っていました。でも、今お話を伺うと、それだけではなく、宇宙のデータを集めるビジネスもやっているということですので、かなり多面的な方向性でいろいろとやっていらっしゃるのですね。

岡島 実は、「科学を社会につなぎ 宇宙を文化圏にする」というのが、われわれが掲げているミッションで、エンターテインメントという言葉は入っていません。とっつきにくい「宇宙」や「科学」を「流れ星」という親しみやすいコンテンツにのせることで、たくさんの人が宇宙に興味を持ったり、科学に興味を持ったりするといいなという思いから、流れ星を研究しているのです。そして、科学を社会につないだその先に、宇宙に興味を持つ好奇心旺盛な人々が「宇宙に出て行くぞ」と言って、宇宙が文化圏となる未来を目指しています。


●きっかけは「しし座流星群」


柳川 宇宙開発といえば、少し前までは国が行うものというイメージがあって、民間企業やベンチャー企業が宇宙で何かを行うというのは、なかなかイメージしにくかったと思います。最近でこそニュースになるようになりましたが、こういった構想を頭の中に描かれたのはいつ頃なの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
マザーテレサとの出会い
人生を変えたマザーテレサの言葉…あの人たちはキリストだ
上甲晃
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大

人気の講義ランキングTOP10
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
津崎良典
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(2)「ほめる」技術
男性は「ほめる」のが苦手?傾聴から始まる「ほめる」技術
三谷宏治
インテリジェンス・ヒストリー入門(3)戦後日本の構造
戦後日本はなぜインテリジェンスを軽視してきたのか?
中西輝政