アンチ・グローバリズムの行方を読む
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デカップリングは一国の内でも外でも起こっている
アンチ・グローバリズムの行方を読む(3)デカップリング
最近、「デカップリング」という言葉を耳にすることが多いが、これはどのように理解すれば良いのか。元来は安全保障の分野で用いられてきたこの語は、米中の経済関係を中心に、より幅広く生じている情勢の多極化を示す語彙になっている。(全6話中第3話)
時間:10分26秒
収録日:2019年11月7日
追加日:2019年12月14日
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカにおける固定化された差別の存在


岡本 そういう差別のある構造体を、アメリカはもう受容してしまっているのですね。これはやがて、ヨーロッパにも広がっていくのかもしれません。差別のある構造体といえば、僕も今でも忘れられない記憶があります。

 何年か前に、メリーランド州の島にある友人の別荘に呼ばれたのですよ。その友人は、白人の富裕層の人間です。その島には別荘だけが100軒ほど建っており、持ち主はほとんどが白人です。

 それで、朝の7時ぐらいにその島に連絡船が着くのですよ。そこから降りてくる人は、ほとんどが非白人で、ラテン系、アジア系、アフリカ系の人などです。その人たちはみんな、メイドとして、あるいは庭師として、その100軒ほどの別荘の世話をします。

 こんな光景って、日本ではないでしょう。大きな集団になっていて、150人くらいいたでしょうか。もう見るからに身なりは見すぼらしく、異様な集団でしたが、彼らが仕える人たちで、そこに住んでいる人たちが、彼らを利用する人たちであるわけです。かくもあざやかに構造が分かれているのかと、私はかなりショックを受けました。その場所は特殊な島なのかもしれませんが、アメリカ全体を見ても、同じようになってきているのだと思います。

伊藤 ヨーロッパもそのように固定化しているようですね。一部の研究を読んでみると、アメリカで唯一救いだったのは、それでも階層的に上昇する機会がそれなりにあったということだと思います。それも今ではどうか分かりませんけれども。

岡本 今は、学費がめちゃくちゃ上がってきているから、そう簡単に上に上がれないのですよね。


●デカップリングとは?


伊藤 話をちょっと戻すのですが、デカップリングの話についてどう思われますか? 日本にいた時にはあまり意識していなかったのですが、最近、海外の会議に行くと、多くの人がデカップリングについて話し始めています。

 そのなかで少し印象的だったのは、ファーウェイについてです。デカップリングというとすぐに思い出すのはファーウェイで、「あなた、ファーウェイ使うの?使わないの?」と聞かれます。5Gを前提としながら、アメリカと中国はどんな関係になっていくのかに関わる話です。


●米中経済で複雑な分極化が起こっている


伊藤 ファーウェイの話題はどちらかといえばモノの流れについてですが、...

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