5Gとローカル5G
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
5Gが可能にする技術「タクタイル・インターネット」とは
5Gとローカル5G(6)通信インフラの新技術
中尾彰宏(東京大学 大学院工学系研究科 教授)
「タクタイル・インターネット」という5Gが可能にする技術がある。これは神経伝達に近い低遅延通信によって「ヒトの感覚」を伝えるというもので、この技術によってロボット開発への期待が膨らんでいる。また現在、商用化のために日本全国で5Gの総合実証実験が行われているが、通信タイプごとの混線を防ぐため、アプリやサービスのトラッフィクを分離する通信インフラ技術も求められる。そこで考えられているのが「ネットワークスライシング」だ。これは非常に重要な考え方ということで解説を進めていく。(全9話中第6話)
時間:7分13秒
収録日:2019年12月4日
追加日:2020年1月6日
≪全文≫

●タクタイル・インターネットの可能性


 ここからは紹介のみになりますが、「タクタイル・インターネット」というものもあります。これは、神経伝達に近い低遅延通信によって、人の感覚を伝える通信です。こういったコンセプトは2014年に出されており、これはITU-T(国際電気通信連合の部門の一つで、通信分野の標準策定を担当する「電気通信標準化部門」)という標準化組織から出されたものです。

 どのようなコンセプトなのでしょうか。人間が外部刺激に反応する時間とは、場合によって異なります。突然予期しない刺激に対する反応時間は、約1秒といわれています。つまり、何も予測をしていないとき、例えばボールが飛んできたときに、これを避けるためには、人間の反応時間は1秒もかかってしまうということですので、たいていの場合、避けられないで当たってしまうわけです。

 それに対して、聴覚の反応時間は100ミリセカンドで、典型的な視覚の反応時間は10ミリセカンドといわれています。さらに、人間が外部刺激に1ミリセカンドで反応できる場合もあります。これは、予期、予測が可能な場合の反応時間です。皆さんのなかには小学生の頃、バスケットボールを指の上に乗せてバランスを取る遊びをされたことがある方もいるかと思います。これは視覚によって、ボールがどちらに動くかということを、人間の脳が予測してできています。これが、約1ミリセカンドの反応時間で制御が可能ということを表わしている事例です。

 ですから、こういったバスケットボールの制御を実際に通信で実現しようとする人はいないかと思いますが、ロボット、例えば工場の制御で1ミリセカンドの制御が可能ということは、人間が刺激に対して反応するような制御性能を実現できるということになります。そのため、人手の置き換えが望まれている分野などでは、こうした技術の開発に期待が持たれているということで、タクタイル・インターネットが提案されているのです。


●5Gの総合的な実証実験は、全国で行われている


 ここまで、われわれの活動を中心にご紹介しましたが、5Gの総合実証実験は日本全国各地で行われています。ここに表示してある地図は、2018年度に実施された実証実験を紹介するも...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
逆境に対峙する哲学(2)運命・世界・他者
「私をお母さんと呼ばないで」…突然訪れる逆境の意味
津崎良典
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏