●5Gによる自動運転と協調運転
続いて、もう1つだけ、低遅延のアプリケーションに関する実証実験の例をご紹介します。われわれは、自動運転と協調運転というアプリケーションに取り組んでいます。
その背景として今日、交通事故や渋滞が、特に合流地点や交差点でよく発生しており、大きな社会問題になっています。この問題を解決するため、安全で効率的な交通システムを作ることが望まれています。いわゆるITS(intelligent transportation system)です。
皆さんも、自動運転について色々なニュースをお聞きになったことがあると思います。これは、車が内部に備えているカメラとセンサーで、自律的に運転を行うという技術です。この技術の課題は、交差点や合流地点など、車がたくさんいるところでは、お互いに譲り合いが起こり、デッドロックが発生してしまっているということです。
デッドロックというのはにっちもさっちもいかなくなることなのですが、皆さんがまだ幼少の頃、自転車に乗っていたところ、向こうから同じように自転車でやってきて、お互いに避けようとして最後ぶつかってしまったという経験があったかと思います。自律運転の良くないところは、こうした複数の車が集まる場面で、なんらかの追加的な協調運転が必要となるという点です。
これに対する1つの解決方法として、次のようなものがあります。ある地域の交通の情報をリアルタイムで収集、分析し、その地域を走行する複数の車に対して制御情報を送信し、協調的な制御を行うというものです。一言でいうと、ここでいう協調とは、車同士の関係を考慮して情報を送信し、制御するということです。交差点や見通しが悪い場所の安全と効率を達成するためには、5Gの低遅延を使い、周辺地域全域の情報を迅速に配信し、協調運転を制御することが必要です。
●協調運転によって「信号のない世界」が実現する?
これが本当に実現すると、交差点の信号はいらなくなります。
【参考動画】
Rush Hour Black Sheep Films
https://youtu.be/NfSTKSz5SHc
この映像は、協調運転が実現し、...