日本の特性とは何か~「日本的」の本質
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
現代経営に生かしたい松尾芭蕉の創造論とは
第2話へ進む
日本は今まさに大転換期の真っ只中にいる
日本の特性とは何か~「日本的」の本質(1)転換期の重要性
田口佳史(東洋思想研究家)
日本は現在、大転換期の真っ只中にあり、非常に重要な時期にいる。なぜなら、転換期のあり方が、その後の成長期、安定期の行く末を決めるからだと田口佳史氏は言う。それは、かつて和魂を失い「うわべだけの転換」になってしまった明治維新が、何を引き起こしたかを見れば分かる。(全7話中第1話)
時間:7分32秒
収録日:2020年1月8日
追加日:2020年4月8日
≪全文≫

●日本は今、大転換期の真っ只中におり、大切な時期を迎えている


 2020年はとても大切な時期にいます。何が大切かというと、2002、3年からわれわれは大転換期の真っ只中にいるからです。この転換期というものはなぜ重要なのかという話から入っていきたいと思います。

 私は1942年の生まれで、1945年の終戦の3年前でありましたから、ちょうど何もない、ご破算で願いましてはというような転換期です。これが続いて、やがて成長期へ入っていきました。この成長期は1973年のオイルショックというところまで続き、それから30年ほどたった2003年ぐらいから転換期へ入ったわけです。

 これも、自然の、宇宙大の規模の営みによって行われていますから、人工的でないということで、はっきり30年ピシッということではありません。よって、35年になるのか、37年になるのか分かりませんが、2003年から30年というと2033年ぐらいから35年と見てもいいでしょう。そのぐらいまでが転換期であります。


●転換期がその後の成長期、安定期を決める


 一番いいケースが明治維新です。明治維新をよく見ても、これから少しお話をしますが、転換期のあり方が次の成長期を決めるということが分かります。だから、転換期に本当にうまく転換した会社とか、個人でいえば人生においてうまく転換した人間とか、それから国家もうまく転換したとか、こういうものは成長期に入ってグッと伸びていきます。ですから、成長期の状況も、転換期にいかなる転換をしたかということにかかってくるわけです。

 皆さんの会社も、次の成長に関しては、要するにこれから2035年ぐらいまで続くこの転換期をどのように転換したかにかかっているんだと思ってもらわなきゃいけない。だから、転換期30年、成長期30年。そしてその次に来る安定期は成長期のあり方がそのまま反映されてくるわけだから、合わせてだいたい100年から150年というものはこの転換期にかかっていると言っていいんです。


●和魂を忘れた明治の転換が呼び込んだもの


 それはとりもなおさず、明治の転換という時に、平均年齢30歳という、そういう若い日本人が一所懸命頑張ってくれたから分かることです。そこには、それなりにいろいろと反省をしなきゃいけないところは多々ありますので、それもこのシリーズ講座の中でどういう点を反省して、どういう転換をこれから図らなきゃいけないかとい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
法隆寺は聖徳太子と共にあり(1)無条件の「和」の精神
聖徳太子が提唱した「和」と中国の「和」の大きな違いとは
大野玄妙
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
老荘思想に学ぶ(1)力のメカニズム
老荘思想は今の時代に人類の指針となる
田口佳史
西洋哲学史の10人~哲学入門(1)ソクラテス 最初の哲学者
ソクラテス:「フィロソフィア」の意味を問う最初の哲学者
貫成人

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓