社会はAIでいかに読み解けるのか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
現地現物という考え方は日本語の言語構造上、向いている
社会はAIでいかに読み解けるのか(3)「分かる」と日本語
多数パラメータモデルのなかでは、それによって何かを理解することが困難である。そのためには、そのモデルを常識的に理解できる手続きの系列に分解する必要がある。日本語は、これを可能にするための有効な手段である。(全8話中第3話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分49秒
収録日:2020年3月3日
追加日:2020年5月5日
≪全文≫

●「分かる」こととは何か


柳川 松尾さんが言われていることがもう1つあります。人に説明をすることについてです。単純に自分が分かるか分からないかだけではなく、何かを人に説明して、なんだかうまく言えなくとも、「この人は良い」と思うから、あるいは「このやり方がダメだ」と思うから判断するということがあるとおっしゃいました。やはり説明するということと、自分が「分かる」「腑に落ちる」ということは、次元の違うものです。

 そうなると、多数パラメータで何かが決まっている、あるいは無限のパラメータ全体のなかで、「一応こういう関係になっている」と相手に伝えたとして、果たしてその情報が正しく伝わるのかというと、実は少し難しい問題です。「分かる」ということについて発想を転換し、定義を変えれば良いのかもしれないのですが、人に説明をしてその情報が伝わるためには、ある種のパラメータの選択を行わなければなりません。そうしないと、今の人間のコミュニケーション能力では難しい(情報が伝わらない)からです。このあたりが、よく「AIはブラックボックスだ」といわれることと関係しているように思います。


●「分かる」とは手続き的に再現可能であるということ


松尾 今の2つの話(前回の話と上の話)は、実は同じなのかもしれないと思っています。なぜかというと、僕は「分かる」ということを、記号処理系と知覚運動系に分けています。僕の仮説は、人間の知能は2階建て構造をしているのではないかというものです。

 特に記号処理系にとって「分かる」とは、基本的には手続き的に再現可能であるということとほぼイコールです。なんらかの初期状態を設定して、そこからアクションの系列、手続きの系列にしていって、何か最終状態が得られたというときに、「ああ、これは分かった」と人が感じる場合が多いと思います。例えば、数式の証明や法律の文書などがそうです。必ず前提条件や何かの初期条件が明示されて、そこからだんだん変化があって、結果的に必ず同じ状態(メンタル面も含め)にたどりつくというものです。

 これは、映画を見るときも、小説を読むときも同様です。つまり、人間が「分かる」ということは、多数パラメータのモデルを手続き的に分解して、そのままでは理解できない大量のデータを、常識的な範囲内での手続きの系列にしてしまうということなのです。これによって...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
こどもと学ぶ戦争と平和(3)「小さな外交官」と少年兵の問題
外国が攻めてきたらどうすればいい?戦争と少年兵の問題
小原雅博
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
『三国志』から見た卑弥呼(1)『魏志倭人伝』の邪馬台国
異民族の記述としては異例な『魏志倭人伝』と邪馬台国
渡邉義浩
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓