社会はAIでいかに読み解けるのか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「情報の非対称性」からくる効果を最大化するために
社会はAIでいかに読み解けるのか(6)情報の非対称性
情報技術の発展によって、貨幣経済以前の物々交換の世界も可能になってきた。それは、物々交換の課題だった「欲求の二重の一致」問題がインターネットによって解消されるからである。その中で気になるのは、「情報の非対称性」といわれるものだ。そこでAIやITが、今まで分からなかった、いわば「資源の有効活用」を可能にして、儲けるチャンスを増やしている。(全8話中第6話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分24秒
収録日:2020年3月3日
追加日:2020年5月26日
≪全文≫

●「欲求の二重の一致」問題はインターネットが解消する


―― 昔は物々交換だったものがそのことに限界が来たので貨幣経済になっていったと思うのですが、今度は逆に、情報技術が向上したため、再び物々交換の世界も可能になってきたということですね。そのときにどのように価値を測っていけば良いのかということが、現在の課題になっていると思います。しかし、実際にそれを測ることができるという可能性はあるのでしょうか。非常に難しい問題だと思うのですが。

柳川 物々交換がうまくいかないというのは、経済学で「欲求の二重の一致」といわれている問題が理由になります。あるところに3人の人がいて(私たち3人で例えましょう)、それぞれ物を持っているとします。そこで取引を行い、ある二人が欲しい物をお互いに交換できれば良いのですが、私が欲しいのは松尾さんの持っている物で、松尾さんは私の持っている物ではなく川上さんが持っている物が欲しくて、川上さんは私が持っている物を欲しいという状況を想定してください。物々交換ではうまくいかないのですが、3人でグルっと回せばうまくいくわけです。

 そうするとどうすればいいかというと、まずはある一人にお金を渡し、そのお金で別の一人から物をもらって、という感じで進めれば、3人の取引がうまくいきます。これが、お金が必要になっている基本的な理由で、最初に出てくる話なのです。

 しかし実は、この話はお金を介さなくてもできます。例えば、3人が「自分はこれが欲しいんです」「これ、持ってます」とネット上でつぶやいて、「これの代わりにこれが欲しいんです」という情報を3人で共有すれば、「じゃあ、ぐるぐるっと回しましょう」と話が進み、取引が成立するのです。つまり、この「欲求の二重の一致」問題は、貨幣が役割を果たす重要な局面なのですが、これは言い換えると、情報が不足していて、情報をうまく使えないことから生じた問題です。ですから、先述したように行えば、貨幣を使わずに取引を実現することもできます。

 この話は結局、ある種の掛取引のようなもので、帳簿で「自分はこれをこう供出しました」と書き、「その代わりに何かください」とすればうまくいきます。極端にいうと、世の中の市場取引が、今のこの3人の世界を1億人、10億人にして、全員が全部の取引を「私はこの物を(ネットに)アップします。その代わり、これをくだ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
もっと知りたいイヌのこと(1)イヌの歴史を振り返る
オオカミはいつイヌになったか…犬の起源と家畜化の歴史
長谷川眞理子
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子
発酵はマジックだ!
色を消し、脂を溶かし、水を分解―スゴすぎる発酵の力!
小泉武夫
火山の仕組みを知る(1)火山の世界的分布と噴火の仕組み
火山噴火が起こるメカニズムと日本の火山の特徴
藤井敏嗣
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治

人気の講義ランキングTOP10
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
中国春秋戦国時代と始皇帝(2)諸子百家と春秋五覇
諸子百家を生んだ東方大平原の「小都市国家群」のダイナミズム
鶴間和幸
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
編集部ラジオ2026(22)「中国古代史」特集紹介!
【10min解説】「中国古代史という知の宝庫」特集の各話紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(4)ユダヤ人と金融
金融業にユダヤ人が多い理由、そして大国興亡史の裏面のユダヤ人
鶴見太郎
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(4)情報と教養の違い
教養がおろそかな人の限界…「教養は頭の中に、情報は頭の外に」
橋爪大三郎
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(1)脳科学と「ミクロのマクロの隔たり」
脳が生きている、死んでいるとは?最新研究で迫る脳の秘密
毛内拡