脱コロナを「知の構造化」で考える
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「全体観」と「専門家の深い知見」で新たな社会像を構築する
脱コロナを「知の構造化」で考える(8)ポストコロナ
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
ここまでの日本の政策にはどのような問題があったのか。例えば一斉休校の要請は、その効果、影響から考えると、そのやり方には課題を残したといっていいだろう。問題の全体像を理解するためには、専門家の知見だけではなく、自らデータを収集・分析することも大事だという小宮山宏氏。コロナ終息後に世界、そして日本が進むべき道について語る。(全8話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分27秒
収録日:2020年4月22日
追加日:2020年4月29日
≪全文≫

●日本が行った「一斉休校」という政策の問題点


―― 先ほど、科学的な知識に基づいて政策を行っていくことが重要だというお話がありました。まさにこの問題は、全く答えがわからないなかで進んでいかなければならないものでした。そのため、今までの日本政府の対応についても、小宮山先生からはいろいろな問題が見えているのだと思います。こうした日本の政策決定の問題点ということについて象徴的な事例があれば、ご指摘いただけませんでしょうか。

小宮山 日本では、学校の一斉閉鎖(臨時休校の要請)が行われました。

―― 2月27日に発表されたのですが、3月2日から春休みの期間、全国で一斉休校の実施要請がなされました。

小宮山 私は、これは正しくなかったと思っています。なぜかというと、政策は、どういう効果があるのか、それを見極めてから行うものです。今回の場合、3つほど重要なポイントがあります。第1に、コロナの感染拡大を防止するという実態的な意味です。第2に、そのための危機意識を喚起するということがあります。第3に、そのことがどのようなネガティブな副次的効果を産むのか、それを見極めるというものです。

 この政策によって、危機意識がうまく喚起できたのだという説がありますが、危機意識の喚起であれば、他にもいくらでもやり方があったと私は思います。この政策に実態的な効果があったかといえば、学校閉鎖はあくまで二次的なものです。今回の場合、子どもへの感染率は高くないと言われています。もちろん子どもが罹患して死んでしまったというニュースもありますが、風邪でも同様の事態は起こり得ます。若い人が高齢者にうつしてしまうというケースもありますが、これもあくまで二次的な効果です。一次的な効果としては小さいか、ほとんどないでしょう。

 今回は、副次的な効果、影響も考えなければなりません。学校の閉鎖が容易だったのは、これが経済に影響しないと思われたからです。確かにすぐには影響は出ません。しかし、子どもたちにとって学校はものすごく重要なところです。当たり前です。また、子どもが家にいることによって、今までと状況をどれくらい変えるのか。その社会的なマイナス効果は非常に大きいです。経済に対する影響はとりあえず小さいですが、副次的な効果で経済にも大きな影響を与えます。また、将来を考えた場合、例えば今後1年ほど学校が休校してしまう...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏

人気の講義ランキングTOP10
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
「進化」への誤解…本当は何か?(4)ダーウィンの進化論と自然淘汰の理論
『種の起源』…ダーウィンとウォレスの自然淘汰の理論
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(7)領国経営と秀長の統治能力
想像以上に有能――領民に慕われた秀長のリーダーシップ
黒田基樹
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
歌舞伎はスゴイ(2)市川團十郎の何がスゴイか(後編)
歌舞伎十八番を定めた七代目市川團十郎、一番モテた八代目
堀口茉純
生き抜くためのチカラ~為末メソッドに迫る(4)人生の勝敗を考える
幸せの鍵「なにげなさ」とは何のことか
為末大
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
島田晴雄
『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ【質疑篇】(1)モンテスキューとルソーの人物像
エピソードが語るモンテスキューとルソーの両極端な人物像
川出良枝