●どの国がウイルス禍を抑えているかが一目瞭然
小宮山 国ごとで、データに違った特徴があります。アイスランドや韓国だけではなく、いろいろな形で多くの国が終息に向かっています。どうやったら終息を迎えられるのかを、見てみる必要があるでしょう。
そのなかでも、ドイツは非常にうまくやっているといわれています。しかし、一番左側の図をご覧ください。見ると、当初はイタリアと同じような形で新規感染者が発生していることがわかりますが、明らかにその数字は落ちてきており、ピークの時の3分の1以下です。ここから、ドイツではすでに終息に向かっていることを読み取ることができます。
オランダはドイツと接している国で、減っているといえるか、まだ感染拡大が終わっていないといえるかは、微妙なところです。
台湾は非常にうまくいっているといわれていますが、新規の感染者は非常に減ってきています。
―― ピークは30人程度ですね。
小宮山 そうです。台湾は決して小さな国ではなく、人口も2千数百万人ほどいますので、非常に数字が小さいことが分かります。それがはっきり分かるのが、感染率で見たグラフです。ドイツやオランダは、人口当たりの比率にすると、同じような数字になりますが、ドイツの場合は減ってきています。それに対して台湾は、そもそも数字はゼロに近く、ほとんど見えません。
オランダとドイツの違いは、一番右側の死亡率です。ドイツは国民に対する死亡した人の比率がこの程度です。
―― 100万人当たり数人程度ですね。
小宮山 それくらいに抑えられています。それに対してオランダでは大変なことになっています。台湾のデータはもう見えません。それくらい少ない。
こうして見るとドイツは破綻ぎみの国に囲まれながら、明らかによく頑張っているといえます。台湾はほとんど抑え切っているということが見える。
このように抑えている国は、実はたくさんあります。それを見ていかなければならないでしょう。
次の図は、シンガポールです。この国の状況は非常に興味深い。感染者の数を見るとどんどん増えています。感染率にしても決して小さくなく、どんどん増えています。ところが死んでいる人はほとんどいません。このような抑え方もあるということです。
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