独裁の世界史~ヴェネツィア編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
経済の持つ意味にいち早く気づいていたヴェネツィアの知恵
独裁の世界史~ヴェネツィア編(4)日本がヴェネツィアに学ぶべきこと
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
小国でありながら、通商国家として、また海運国家として覇権を示したヴェネツィアには、今の日本が学ぶべき点が多数ある。いたずらに強国と争わず、自らの特性を知った国のシステムづくりに邁進することも、その一つだ。(全4話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分16秒
収録日:2019年12月19日
追加日:2020年6月20日
カテゴリー:
≪全文≫

●政治家としての見識を維持していくにはどうしたらいいか


―― 前回のお話の中に、2世、3世議員の話がありました。また、ヴェネツィアがくじ引きなどにこだわったのは、変な野心を持った人物が政治の枢要な地位に就くことを除外する、排除するというところだったことも、重ねて教えていただきました。そうなると、ある程度は世襲制があったほうが、変な野心を持って国を引っかき回そうとする人たちの出る危険性を減らせるというところであるわけですね。

本村 日本の今の政治というのは、全て選挙で選ばれるためにあって、選挙が終われば何も関係ないというような変な方向に行っているのではないかと思うのです。そういう人たちを見ていると、そのように私には見えてしまいます。

―― そうですね。選挙に勝てばいいみたいなところはあるかもしれませんね。

本村 世襲であれば、そういう弊害には陥らないのではないか。もちろん他の要因が出てくるかもしれません。少なくとも国政に行うのにふさわしいだけの資産や見識を維持していくにはどうしたらいいか、ということは課題として出てくると思います。

―― そうですね。今の日本では、もともと貴族院として「良識の府」といわれてきた参議院が、普通の衆議院と変わらない位置付けになっているところもあります。今後、良識なり見識なり、野心的なものをいかに防ぐかということを考えるためには、制度設計を少しいろいろ考えないといけないところかもしれません。


●平等偏重の社会において大事なこと


本村 あまりにも「平等」を偏重して、いろいろな意味で情報が漏れないように、多様なシステムを作っているのだろうと思います。そこはともかくとして、変な平等主義というのはどうかと思います。それぞれに優れた人間がいることを考えに入れていない。実際には、国語が得意で数学ができない人もいれば、数学が得意で英語ができない人もいる。英語と数学と国語が全部できても体育ができない人や、英語と数学と国語ができて、体育もできる人は人が悪いとか。というように、それぞれに特徴があるわけで、われわれがそうした人の資質を一片だけで捉えない、つまり点数だけで考えないことが大事でしょう。

 私は東京大学で長く教え、いろいろな東大生を見てきました。たしかに点数的な優秀さを持った学生がたくさん集まっている。しかし、例えばあるものを詳しくや...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(1)日本の歴史における平安時代の意味
平安時代の意外な真実…貴族社会の華やかさの裏の激動と転換
関幸彦
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦

人気の講義ランキングTOP10
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に記された「媚態表現」の真相と人心掌握術
上野誠
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(2)タタールのくびきと「第三のローマ」
なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
上月豊久
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「自分をコントロールする力」の仕組み(1)自制心と目標の達成
自制心の重要性…人間は1日4時間も何かを「欲求」している
森口佑介
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男