『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
世界共通なのは、「年功序列」ではなく「成果序列」
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(3)「年齢フリー」の社会にする
出口治明(立命館アジア太平洋大学(APU)学長特命補佐)
人間にとって一番怖いのは、分からないということだ。若いときは分からないことも多いが、人生を半分走ってきた60歳はその分、世の中のことが分かっているから、何事にも上手に対応できるだろうし、チャレンジもしやすい。そこには過去の実績も年齢も関係ない。今の能力、体力、意欲に応じて仕事を探すのが、世界に共通する仕事のあり方である。(全7話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分22秒
収録日:2020年6月30日
追加日:2020年8月15日
≪全文≫

●「還暦後は余生だ」といった捉え方は間違っている


―― 「余生」と言うと怒られてしまいますが、「還暦後を輝かせる」ということで、出口先生が著著『還暦からの底力』の中で「清水の舞台」のお話を大変印象深くお書きになっていらっしゃいます。

 「『還暦後は余生だ』といった捉え方も間違っています。マラソンでいえばまだ半分しか走っていない」「むしろ折り返してからのほうが、冒険やチャレンジはしやすいのです」と述べられていて、その例として挙げられたのが「清水の舞台から飛び降りる」ということです。

出口 はい。

―― 「清水寺の舞台の高さが約12メートルとわかれば、12メートルのロープを用意すれば降りられるでしょう。リスクの内容(12メートル)がわかれば、それはコスト(12メートルのロープ代)として計算できます。要するに、飛び降りる怖さは12メートルのロープ代に転化できるのです。」

 「人生を半分走ってきた60歳はその分、世の中のことがわかっていますから、仕事も生活もおそらく恋もきっと上手にできると思います」。このように、非常に勇気づけられる言葉を、先生はお書きになっておられます。

出口 わかればリスクがコストになるのですよ。

―― それが面白いですね。「リスクをコストにできる」ということですね。

出口 人間は、分からないことが一番怖いのです。新型コロナウイルスが怖いのは、正体がまだ十分分からなくて、ワクチンや薬がないからです。ワクチンも薬もない病気に、かかったらどうなるのだろう、と思うから怖いんですよね。でも、インフルエンザはそれほど怖くないでしょう。ワクチンも薬もあるからです。

 だから、人間にとって一番怖いのは、分からないことです。そして、若いときは分からないことが多い。でも、マラソンも半分走ったら、あとは折り返して同じ風景を走っていくわけです。いろいろなことが分かってきているから、チャレンジしやすいのです。


●団塊世代を生かす「年齢フリー」の社会へ


出口 昔の日本は製造業中心の世界でした。製造業は、基本、工場で働くので力や体力がいるイメージです。でも、今はサービス産業中心で、アイディア勝負の時代でしょう。ということは、体力のハンディがなくなっているのです。しかも、60歳はいろいろな経験を積んで賢くなっている。人間の脳は加齢とともに衰えていきますが、いろいろな経験...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
西洋哲学史の10人~哲学入門(1)ソクラテス 最初の哲学者
ソクラテス:「フィロソフィア」の意味を問う最初の哲学者
貫成人
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
老荘思想に学ぶ(1)力のメカニズム
老荘思想は今の時代に人類の指針となる
田口佳史

人気の講義ランキングTOP10
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』、秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
平和の追求~哲学者たちの構想(4)ルソーが考える平和と自由
ルソーの「コスモポリタニズム批判」…分権的連邦国家構想
川出良枝
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(4)葛飾応為の芸術と人生
親娘で進歩させた芸術…葛飾応為の絵の特徴と北斎との比較
堀口茉純
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
編集部ラジオ2025(31)絵で語る葛飾北斎と応為
葛飾北斎と応為の見事な「画狂人生」を絵と解説で辿る
テンミニッツ・アカデミー編集部
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子