『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「人生を幸福にする発想法」で考えると「人間は猪八戒だ」
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(6)人生を楽しむために学ぶ
出口治明(立命館アジア太平洋大学(APU)学長特命補佐)
「人生を幸福にする発想法」としてのヒントもたくさん詰まっている『還暦からの底力』。例えば「人間は猪八戒のようなものだと考えると全く変わってくる」という話がある。これはどういうことなのか。還暦だけでなく、どんな世代の人が読んでもすぐ役に立ちそうなその発想法について聞いてみた。(全7話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分38秒
収録日:2020年6月30日
追加日:2020年9月5日
≪全文≫

●「猪八戒」の仲間の人間が、人生を楽しむには?


―― 先生、今回は角度を変えまして、「人生を幸福にする発想法」ということでお話をうかがいたいと思います。先生のご著書『還暦からの底力』の中でも、いろいろなヒントをお書きになっています。たとえば「人間はいい加減で猪八戒のような存在」という節があります。非常に印象深く読ませていただきましたが、これについてご説明いただけますか。

出口 世の中、そんなに立派な人はいないということです。

―― そうですね(笑)

出口 職場ではまじめな人も、ちょっとお酒が入ったらベロンベロンになって、アホなことをいい出したりします。人間は、僕ももちろんそうですが、だいたい怠け者ですし、素敵な異性には目がないし、おいしいものを見たらすぐに食べたくなる。まさに『西遊記』の猪八戒こそがわれわれの仲間だという気がするのです。そのように、人間はそんなに立派な存在ではないと、僕自身は思っています。

 僕の大学時代に小田実という人がいて、『何でも見てやろう』という本を書き、世界中を旅行していました。その人が口癖のように話していたのが、「人間、チョボチョボや。大した奴なんか、いやへんで」と。これには、すごく共感しました。でも、そういうチョボチョボの人間が人生を楽しもうと思ったら、これはやはり勉強しかないのです。

―― ほんとに学ぶことの大切さということになるわけですね。

出口 はい。中学生や高校生には、よく次のような話をしています。

 「今、スキー場に来ています。みんながスキー1級の免許を持っていて、とてもうまいと仮定します。楽しみ方が二つある。ガンガン滑るのと、滑る人をボーッと見ているのと。どちらが楽しいと思う? 手を挙げて」。

 そう話すと、ほとんどの生徒が「ガンガン滑る」方に手を挙げますから、そこでこう説明するのです。

「何が言いたいか分かるか? スキーを学んだ人、スキーを勉強した人は、選べるんやで。今日は元気やからガンガン滑ってやろうとか、昨日ガンガン滑って筋肉痛になったから、今日はボーッと見てよう、とか。でも、学ばなかった人はボーッと見ていることしか選べへんのやで。人生、これから長いんだよ。何事でも選べたほうが楽しいと思わない?」

 楽しい人生を選べるようになるためには、スキーを勉強しなければいけない。だから、勉強というのは、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(1)「断絶」を乗り越えるという主題
小林秀雄と吉本隆明の営為とプラグマティズムの格率
浜崎洋介
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
西洋哲学史の10人~哲学入門(1)ソクラテス 最初の哲学者
ソクラテス:「フィロソフィア」の意味を問う最初の哲学者
貫成人
老荘思想に学ぶ(1)力のメカニズム
老荘思想は今の時代に人類の指針となる
田口佳史
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
編集部ラジオ2025(28)内側から見た日米社会の実状とは
島田晴雄先生の体験談から浮かびあがるアメリカと日本
テンミニッツ・アカデミー編集部
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方
知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」
今井むつみ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
デカルトの感情論に学ぶ(1)愛に現れる身体のメカニズム
デカルトが注目した心と体の条件づけのメカニズム
津崎良典
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(4)トランプ大統領VS.中国
トランプ政権は実は与しやすい?…ディールで「時間稼ぎ」
垂秀夫