『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方
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「人生を幸福にする発想法」で考えると「人間は猪八戒だ」
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(6)人生を楽しむために学ぶ
哲学と生き方
出口治明(立命館アジア太平洋大学(APU)学長特命補佐)
「人生を幸福にする発想法」としてのヒントもたくさん詰まっている『還暦からの底力』。例えば「人間は猪八戒のようなものだと考えると全く変わってくる」という話がある。これはどういうことなのか。還暦だけでなく、どんな世代の人が読んでもすぐ役に立ちそうなその発想法について聞いてみた。(全7話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分38秒
収録日:2020年6月30日
追加日:2020年9月5日
≪全文≫

●「猪八戒」の仲間の人間が、人生を楽しむには?


―― 先生、今回は角度を変えまして、「人生を幸福にする発想法」ということでお話をうかがいたいと思います。先生のご著書『還暦からの底力』の中でも、いろいろなヒントをお書きになっています。たとえば「人間はいい加減で猪八戒のような存在」という節があります。非常に印象深く読ませていただきましたが、これについてご説明いただけますか。

出口 世の中、そんなに立派な人はいないということです。

―― そうですね(笑)

出口 職場ではまじめな人も、ちょっとお酒が入ったらベロンベロンになって、アホなことをいい出したりします。人間は、僕ももちろんそうですが、だいたい怠け者ですし、素敵な異性には目がないし、おいしいものを見たらすぐに食べたくなる。まさに『西遊記』の猪八戒こそがわれわれの仲間だという気がするのです。そのように、人間はそんなに立派な存在ではないと、僕自身は思っています。

 僕の大学時代に小田実という人がいて、『何でも見てやろう』という本を書き、世界中を旅行していました。その人が口癖のように話していたのが、「人間、チョボチョボや。大した奴なんか、いやへんで」と。これには、すごく共感しました。でも、そういうチョボチョボの人間が人生を楽しもうと思ったら、これはやはり勉強しかないのです。

―― ほんとに学ぶことの大切さということになるわけですね。

出口 はい。中学生や高校生には、よく次のような話をしています。

 「今、スキー場に来ています。みんながスキー1級の免許を持っていて、とてもうまいと仮定します。楽しみ方が二つある。ガンガン滑るのと、滑る人をボーッと見ているのと。どちらが楽しいと思う? 手を挙げて」。

 そう話すと、ほとんどの生徒が「ガンガン滑る」方に手を挙げますから、そこでこう説明するのです。

「何が言いたいか分かるか? スキーを学んだ人、スキーを勉強した人は、選べるんやで。今日は元気やからガンガン滑ってやろうとか、昨日ガンガン滑って筋肉痛になったから、今日はボーッと見てよう、とか。でも、学ばなかった人はボーッと見ていることしか選べへんのやで。人生、これから長いんだよ。何事でも選べたほうが楽しいと思わない?」

 楽しい人生を選べるようになるためには、スキーを勉強しなければいけない。だから、勉強というのは、...

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