2020年度独立記念日演説と第2次米国革命
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「第二次米国革命」の延長線にある3つのフロンティア開拓
2020年度独立記念日演説と第2次米国革命(6)独立記念日演説の核心その4
政治と経済
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
演説の終盤ではいよいよトランプ氏のめざすアメリカ像として「第二次米国革命」の姿が明らかになる。それは「独立」のために戦い抜き、勝利を得た後はフロンティアを拡大するアメリカである。21世紀のフロンティアはどこへ向かうのか。(全7話中第6話)
時間:9分14秒
収録日:2020年7月29日
追加日:2020年10月15日
カテゴリー:
≪全文≫

●現状を独立戦争に見立て、「第二次米国革命」のジンテーゼへ


 前回の「止揚」により「統合」されたものが出てくるのが、「第二次米国革命」というジンテーゼの段階です。まず英語を読みます。

“Here tonight, before the eyes of our forefathers, Americans declare again, as we did 244 years ago: that we will not be tyrannized, we will not be demeaned, and we will not be intimidated by bad, evil people. It will not happen.”

 日本語訳を読みます。

「今夜ここで、我々の先祖の見守る前で、アメリカ国民は、244年前に行ったように、宣言するのであります。我々は虐げられない。我々は卑しめられない。我々は、悪い邪悪な者に脅されない。それは起こってはならないものであります。」

 これはまさに独立戦争の精神をうまく表現したもので、英語の表現として「tyrannized」とあるのを「虐げられない」と日本語訳しているのですが、「暴政」という単語に対比する英語が「tyranny」です。「tyranny」なので、米国独立戦争というのは、大英帝国という「tyranny」に対して立ち上がったわけなのです。

 ここでトランプ氏は、極左勢力が支配する文化革命を「tyranny」と表現しているわけです。これはもう今の政治環境を独立戦争のロジックを用いて見ているわけで、もはや「第二次米国革命」の機運が完全に高まっている表れです。


●244年後に繰り返される「独立宣言」の理想


 そして、ここで実際に「独立宣言」なるものをトランプ氏は宣言します。まず、英語を読みます。

「We will proclaim the ideals of the Declaration of Independence, and we will never surrender the spirit and the courage and the cause of July 4th, 1776.
Upon this ground, we will stand firm and unwavering. In the face of lies meant to divide us, demoralize us, and diminish us, we will show that the story of America unites us, inspires us, includes us all, and makes everyone free.」

 日本語訳を読みます。

「我々は独立宣言の理想を宣言し、その精神、勇気、そして1776年7月4日の主義を絶対に手放すことをしません。
この土台の上で、我々は強固で、不動に立ち尽くすものであります。我々を分断し、士気を乱し、弱体化することを狙った虚言に直面する中、我々はアメリカの物語が...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
自民党総裁選~その真の意味と今後の展望
「マスコミ報道」では見えない自民党総裁選の深い意味
曽根泰教

人気の講義ランキングTOP10
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(1)各国の財政と国民負担
日本と各国の比較…税負担は低いが社会保障の負担は高い
養田功一郎
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子
数学と音楽の不思議な関係(4)STEAM教育でつくる喜びを全ての人に
世界で最もクリエイティブな国は? STEAM教育が広がる理由
中島さち子
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(4)百年後の日本人のために
百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために
門田隆将
「アカデメイア」から考える学びの意義(2)プラトンの学園アカデメイア
プラトン「アカデメイア」の本質は自由な議論と哲学的探究
納富信留