2020年度独立記念日演説と第2次米国革命
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左翼の全体主義化を示す「キャンセル文化」とは?
2020年度独立記念日演説と第2次米国革命(4)独立記念日演説の核心その2
政治と経済
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
独立記念日演説は、ヘーゲル弁証法のテーゼに向かう。トランプ氏が敵と名指しするのは民主党で、彼らは「左翼文化革命」を意図する存在と糾弾される。最近話題に上る「ブラック・ライヴズ・マター」の運動や「キャンセル・カルチャー」の動きは、トランプ氏にとってアメリカの自由を脅かすものなのだ。(全7話中第4話)
時間:10分50秒
収録日:2020年7月29日
追加日:2020年10月8日
カテゴリー:
≪全文≫

●敵対勢力=左翼文化革命という「テーゼ」を示す


 次に、敵対勢力の指名がなされます。これが「左翼文化革命」を指し、いよいよテーゼの段階に入ります。まず英語のくだりを読みます。

“Angry mobs are trying to tear down statues of our Founders, deface our most sacred memorials, and unleash a wave of violent crime in our cities. Many of these people have no idea why they are doing this, but some know exactly what they are doing.”

 非常に重要なくだりです。日本語で説明します。

「怒り狂う暴徒は我々の建国の父の銅像を取り壊し、我々の最も神聖なる記念碑を冒涜し、我々の都市に暴力犯罪の波を放とうとしています。彼らの多くは自らの行為の理由を理解していません。しかし、特定の者は自らがなにをしているのかしっかりと理解しています。」

 スライド内の太線で引いた箇所(some know exactly what they are doing:特定の者は自らがなにをしているのかしっかりと理解しています)ですが、一連の暴動は左翼の文化革命に位置付けられるものの、「暴動に参加している人たちは、なぜ自分がそこにいるか分からない人ばかりだ」と彼は言います。

 これは私が米国に住んでいた体験からも言えることですが、暴動の参加者のほとんどは日雇いで動員されています。日雇いで動員されるということは、金目当てでやっているわけで、政治的目的をもって破壊行為をやっているわけではありません。

 しかし、この暴動を組織する一部の勢力がいることは確かです。トランプ大統領は名指しこそしていませんが、トランプ側からすると、これを組織しているのは民主党勢力であるということは、共通の理解となっています。


●左翼の全体主義化を示す「キャンセル文化」


 続いて、「左翼文化革命」の本質に迫ります。まず英語のくだりです。

“One of their political weapons is “Cancel Culture” ― driving people from their jobs, shaming dissenters, and demanding total submission from anyone who disagrees. This is the very definition of totalitarianism, and it is completely alien to our culture and our values, and it has absolutely no place in the United States of America.
(Applause.) This attack on our liberty, our magnificent liberty, must be stopped, and i...

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