2020年度独立記念日演説と第2次米国革命
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
左翼の全体主義化を示す「キャンセル文化」とは?
2020年度独立記念日演説と第2次米国革命(4)独立記念日演説の核心その2
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
独立記念日演説は、ヘーゲル弁証法のテーゼに向かう。トランプ氏が敵と名指しするのは民主党で、彼らは「左翼文化革命」を意図する存在と糾弾される。最近話題に上る「ブラック・ライヴズ・マター」の運動や「キャンセル・カルチャー」の動きは、トランプ氏にとってアメリカの自由を脅かすものなのだ。(全7話中第4話)
時間:10分50秒
収録日:2020年7月29日
追加日:2020年10月8日
カテゴリー:
≪全文≫

●敵対勢力=左翼文化革命という「テーゼ」を示す


 次に、敵対勢力の指名がなされます。これが「左翼文化革命」を指し、いよいよテーゼの段階に入ります。まず英語のくだりを読みます。

“Angry mobs are trying to tear down statues of our Founders, deface our most sacred memorials, and unleash a wave of violent crime in our cities. Many of these people have no idea why they are doing this, but some know exactly what they are doing.”

 非常に重要なくだりです。日本語で説明します。

「怒り狂う暴徒は我々の建国の父の銅像を取り壊し、我々の最も神聖なる記念碑を冒涜し、我々の都市に暴力犯罪の波を放とうとしています。彼らの多くは自らの行為の理由を理解していません。しかし、特定の者は自らがなにをしているのかしっかりと理解しています。」

 スライド内の太線で引いた箇所(some know exactly what they are doing:特定の者は自らがなにをしているのかしっかりと理解しています)ですが、一連の暴動は左翼の文化革命に位置付けられるものの、「暴動に参加している人たちは、なぜ自分がそこにいるか分からない人ばかりだ」と彼は言います。

 これは私が米国に住んでいた体験からも言えることですが、暴動の参加者のほとんどは日雇いで動員されています。日雇いで動員されるということは、金目当てでやっているわけで、政治的目的をもって破壊行為をやっているわけではありません。

 しかし、この暴動を組織する一部の勢力がいることは確かです。トランプ大統領は名指しこそしていませんが、トランプ側からすると、これを組織しているのは民主党勢力であるということは、共通の理解となっています。


●左翼の全体主義化を示す「キャンセル文化」


 続いて、「左翼文化革命」の本質に迫ります。まず英語のくだりです。

“One of their political weapons is “Cancel Culture” ― driving people from their jobs, shaming dissenters, and demanding total submission from anyone who disagrees. This is the very definition of totalitarianism, and it is completely alien to our culture and our values, and it has absolutely no place in the United States of America.
(Applause.) This attack on our liberty, our magnificent liberty, must be stopped, and i...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
内側から見たアメリカと日本(5)ヒラリーの無念と日米の半導体問題
大統領選が10年早かったら…全盛期のヒラリーはすごすぎた
島田晴雄
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
デモクラシーの基盤とは何か(3)政治と経済を架橋するもの
「哲学・歴史」と「実証研究」の両立で広い視野をつかむ
齋藤純一
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏