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中国とアメリカでダイナミズムを生んでいる理由
日本企業の弱点と人材不足の克服へ(8)日本でダイナミズムを生むために
西山圭太(東京大学未来ビジョン研究センター客員教授/元・経済産業省商務情報政策局長)
中国の驚異的な経済発展は、中国が「大国」であることが大きい。大国の強みはアメリカのシリコンバレーを見ても分かる。シリコンバレーには政府から多額のお金が落ちているが、一方で無政府主義者も多い。相容れない2つが共存し、ダイナミズムを生んでいる。これが可能なのは大国だけで、大国ではない日本やヨーロッパが彼らと向き合ってダイナミズムを生むためにはどうすればいいのか。(全8話中第8話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:12分17秒
収録日:2020年10月28日
追加日:2021年2月14日
≪全文≫

●アメリカと中国でのダイナミズムは「大国」だから


―― 中国の一般人の給与は、鄧小平の(1992年の)南巡講話から見て40倍くらい上がっていると思います。(1978年の)改革開放から見たら100倍になっている。彼らがアメリカからガサッと技術をリバースしたかは別にして、テンセントもアリババもファーウェイもバイドゥも、みんなうまくやってきたけど、日本はプラットフォーマーとしては、うまくできていない。

 1990年代の半ばくらいに日本の半分くらいのGDPだった国が、ここまで大きくなった。このことを考えると、中国共産党の選別の仕組みは、やはり優秀だったという評価でいいでしょうか。

西山 もちろん優秀でもありますが、私自身はこう思っています。すごく月並みな言い方をすると、アメリカと中国は、やはり「大国」なのです。

 大国だと何ができるか。先にアメリカの話をすると、特にシリコンバレーみたいなところを見ると、つくづく思います。話が飛躍しますが、少し前に「ネオコンサーバティズム(新保守主義)」というものが話題になりました。そのオリジンはというと、ソ連からやってきたトロツキストです。だから極左です、簡単にいえば。

 僕に解説する資格があるか分かりませんが、トロキストは当然、政府の権威を否定する立場です。一方でシリコンバレーはDARPA(国防高等研究計画局)みたいな仕組みがあり、国防省がすごくお金を落としています。中央集権的な政府がものすごくお金を落とし、それが技術への波及効果があったことは、たぶん間違いありません。

 他方において、同じコミュニティを構成する人たちのかなりの部分が、無政府主義に近い。インターネットも、もともとそういうものでした。「政府なんか、何なんだ」みたいな人たちです。

 その2つの極がダイナミズムを生んでいる。これはたぶん3~4億人いる大きな国だからできるのです。

―― なるほど、大国だからできると。

西山 まったく相容れない人が隣りにいて、狭いところで二人で仲良くやっていくのは無理でしょう。「あいつは一生許さない」ということにしかならない。でも、ある程度広いと、「まあ、あいつはあいつ、俺は俺」となる。

 たぶん中国も似たところが、少なくとも過去にはあった。しかもよく言われるように、ほとんど規制がなかったので、自由にやれた。

 一方で中国共産党という、すごい集権的な...

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