日本企業の弱点と人材不足の克服へ
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本企業が一番変えるべきは「縦に深く掘る」発想
日本企業の弱点と人材不足の克服へ(2)「横に切る」発想の欠如
西山圭太(東京大学未来ビジョン研究センター客員教授/元・経済産業省商務情報政策局長)
インテルの成功は、ニーズを抽象化して、よりスケールがあり、マーケットが広い製品をつくったことにある。ウィンドウズも、一つ一つのパソコン向けではなく、さまざまなパソコンで使えるOSをつくった。これは、さまざまなニーズを抽象化して「横に切る」発想によるもので、「縦に深く極める」ことが得意な日本人には苦手な発想でもある。しかし、「横に切る」発想をもって進めていかない限り、マーケットとして拡大させることは難しい。(全8話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:8分08秒
収録日:2020年10月28日
追加日:2021年1月3日
≪全文≫
●変えるべきは「深く縦に掘る」発想

西山 これはビジコンを批判しているのではなく、ビジコンは素晴らしい企業だと思います。ただインテルはアーキテクチャー(論理的構造)で考えたのです。要するにこの1個を動かすのではなく、もっと抽象化して、いろいろなものを動かせるほうがスケールがあるし、マーケットも広い。そういう発想をしたのです。

―― なるほど。

西山 その後も日本企業は、アウフヘーベンしてアーキテクチャーで考えるということがずっとできていない。プロセッサーに続いて、ソフトウェアもそうです。分かりやすくいえば、ウィンドウズです。

 それぞれのメーカーのパソコンを動かすという発想ではなく、パソコンを横に切って、「これさえあればいい」といったことをビル・ゲイツたちは考えた。

 さらにはエンタープライズアーキテクチャーといって、ビジネスモデルでいうと、少し古いですがサン・マイクロシステムズやオラクルなどがそうです。企業のバックオフィス、つまり経理や事務も、多少の違いはあるけれど、横にバサッと切れば、どこも同じだと気づいた。

 それがいよいよ今は、スマート工場や自動走行まで来るようになりました。自動車も工場も、横にバサッと切れば「同じだよね」というところに来ています。

 そこに私なりの危機感があり、もともとものづくりの時代から「総合電機」などいろいろな話があった中、一番変えるべきは「縦に深く掘る」という発想です。もちろんそれをゼロにする必要はなく、これは日本人のすごく特異で大事なアセット(資産)です。とはいえ、それだけでは勝てません。

―― そうですね。

西山 日本の役割分担といっていいか分かりませんが、「横にバサッと切る」ことをしなければならない。単に横に切るのではなく、いかに切ればマーケティングが広く取れ、利益が上がるのかという発想が必要です。

 現実にはそれがなく縦に極めるから、「なんか製品ができちゃいました」となるのです。

―― それは職人芸ですね。


●「抽象化」することに価値がある


西山 今のデジタルやソフトウェアの特徴は、難しいことや複雑なことを実現するだけではなく、それらを楽に簡単に実装できるところにポイントがあります。そういうと日本人は、「複雑で難しいことは日本も得意です」となりますが、ここにも誤解があります。典型的に言えば、江戸...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子