日本企業の弱点と人材不足の克服へ
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最初は誰も賛成しない「創造的なこと」をする時の振る舞い方
日本企業の弱点と人材不足の克服へ(7)創造的アイデアを実現させるには
経営ビジネス
西山圭太(東京大学未来ビジョン研究センター客員教授/元・経済産業省商務情報政策局長)
過去30年のイギリスの経済誌の書評で、日本人で紹介されたのは整理法を教える近藤麻里恵さんの本だけ。それぐらい日本人は、「整理する」能力が高いともいえる。ただし世界で勝負するには、それだけでなく、横で展開する方法を考える必要がある。しかし、いわゆる「変人」が考える創造的な政策は、最初は賛同が得られない。大事なのは、その政策がうまくいった後である。そのとき、たとえ反対していた人が「実は俺が言っていたことだ」と言い出しても、笑って「そうですね」と言える人間力が問われている。(全8話中第7話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:7分06秒
収録日:2020年10月28日
追加日:2021年2月7日
≪全文≫

●世界的に見ても日本人は「整理する」ことが得意


西山 私は留学先がイギリスだったこともあり、『フィナンシャルタイムズ』や『エコノミスト』といったイギリス系メディアをよく読みます。特に書評は欠かさず読むことにしていますが、私が知る限り、日本人が書いたもので、それなりに大きく取り上げられた本は1冊だけです。読み始めたのは留学から帰ってきた1990年代の初めぐらいですから、もう30年弱になりますが、取り上げられたのは近藤麻理恵さんの本だけです。

近藤さんは整理や断捨離の方法論を教える方で、世界的にものすごくファンがいます。すごく象徴的な話だと思いますが、グローバルの人が日本人の本を読んで、「あっこれ、すごい」と思うのは「整理する」ということなのです。

―― なるほど。

西山 それ以外の日本から発信された本は、「フーン」で終わってしまう。ここでよく言われるのが「なかなか英訳されないから」というものですが、そんなことはないはずです。近藤麻理恵さんの本が英語で出版されて海外で評価されたのは、何かが有利だったという話ではありません。彼女が言っていることは世界的に見て、傾聴に値することだから取り上げられたはずです。

 日本の狭い住環境の中で、「きちんとしましょう」と言うのは、明らかに日本人は得意なのです。世界的に見て、「すごい」となるぐらい得意だと思うのです。とはいえ、それだけで勝負しようとするのは、国として少し無理があります。それは大事にしたらいいと思うし、それがおかしいということではないのですが、それだけだと……。

―― 飯が食えないですよね。横に展開することも考えつかないと。


●気づきがないと深く掘るほうに進んでしまう


―― でも考えつく人、気づく人は、ある種の天性と場数だと思います。天性と場数でいえば、しばしば出てくるのはいわゆる「変人」です。ただ、日本の社会の中であまり協調性がないし、みんなが見えないものが見えるから、よけいなことを言って怒らせる。

 この手の人を見つけてきて、徹底的にいろいろな人に会わせたり、いろいろなものを見せたりする。そういうことをやると、経営者人材はその中の何人かに1人ぐらい出るでしょう。

西山 そう思います。逆にいうと、メタレベルのアーキテクチャーを書く人は、10万人いても混乱するだけですから、そんなに要らないのです。1000人でも、日...

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