徳川将軍と江戸幕府の軌跡~家康編
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
徳川家康が高い教養を修得できた人質時代の幸運な出会い
第2話へ進む
徳川家康の2つの功績…平和の実現と1つの国としての日本
徳川将軍と江戸幕府の軌跡~家康編(1)なぜ徳川家康は日本統一に成功したのか
徳川家康は日本という国を一つにまとめ、平和国家をつくりあげるという、現在の日本にもつながるような大きな役割を果たした。家康はなぜこのような偉業を達成できたのか。また、家康にあり、織田信長や豊臣秀吉になかったものとは何なのか。(全5話中第1話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:11分06秒
収録日:2019年12月26日
追加日:2021年1月9日
≪全文≫

●現代にまでつながっていく徳川家康の功績とは


―― 先生は「将軍の世紀」という数年間にわたる大作で、いろいろな史料を読み砕きました。今の社会につながることとして、徳川家康が最初に作った江戸時代というものが果たした役割、徳川家康の果たした役割ということについて、先生に少しお話をいただければなと思います。

山内 徳川家康の大きな役割というのはいろいろとあるのですが、二つあると思うのです。現在の日本につながっていくという意味では。

 一つはやはり、平和と統治という問題について、きちっと理念だけではなくて、政治は現実や結果責任ですから、その理想と現実、それをつないでいくものとしての結果責任というものをはっきり明確にして、平和国家というものをつくり上げたことです。270年間にわたって江戸時代というものは、戦乱がなかった。内乱・内戦というのが基本的になかった、そういう世界史的にも稀有な国なのです。それをつくり上げたということが、徳川家康の果たした一つ目の大きな役割です。

 それから二つ目は、日本という国や国民というものが一つになったということです。

 というのは、中世における応仁の乱、そして戦国時代になるまで、だいたい日本は、東国と西国、つまり東と西というのが別の世界だったのです。

―― 東と西が別の世界だったのですね。

山内 別の世界だったのです。それが、応仁の乱から戦国時代ということで、秩序が崩れていきました。これは、下剋上という悪い言葉も使われますけれども。人間の往来、これは公家から商人、一般民衆、つまり庶民に至るまで、東と西を往復旅行、あるいは避難、難民化、こういった流動化が始まったわけです。それで西の経済や西の人びとと東の経済・東の人びとなどが、行き来するようになったり、移住したりしていく。これとともに日本というのは、名実ともに一つになったというわけです。

 ですから、一つの国、一つの国民としての日本と日本人、仮にそう読んでおくとすれば、それが実体的に成立したのは、それはやっぱり家康によるものです。応仁の乱による混乱をも克服する中で、江戸時代が成立していく、徳川幕府が成立していく。そのプロセスで起きたということになります。

 この二つとも、つまり平和と統治という、理念と現実。この重要な日本政治にとっていつの時代も大事にしなくてはいけない要素と、お...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は
杉山晋輔
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
『貞観政要』を読む(2)著作に登場する人物たち
房玄齢・杜如晦・魏徴・王珪―太宗の四人の優れた側近
田口佳史
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(2)“変わり者”の生かし方と後継者選び
「人材の組み合わせ」こそ「尖った才能」を輝かせる必勝法
水野道訓
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己