徳川将軍と江戸幕府の軌跡~家康編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
外国人も商人も積極的に登用した徳川家康の人材活用術
徳川将軍と江戸幕府の軌跡~家康編(4)人材登用のうまさ
歴史と社会
太原雪斎や安国寺恵瓊といった禅僧が当時、最大の知識人として外交政策を仕切っていた戦国時代。徳川家康は、そういった政治的ブレーンとして天海や崇伝などの僧侶、儒学者の林羅山を登用する一方、ウィリアム・アダムスやヤン・ヨーステンなどの外国人、商人の茶屋四郎次郎も積極的に活用する。そのことから、家康の「人材登用のうまさ」をうかがい知ることができる。(全5話中4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:9分35秒
収録日:2019年12月26日
追加日:2021年1月30日
≪全文≫

●当時最大の知識人として外交政策を仕切っていた禅僧


山内 実際にそうなっていくわけだけれども、彼(徳川家康)を、駿河今川家の最も重要な武将として育てなきゃいけない。今川家を支える武将、リーダーとして育てたいという思いがあったから。

 家康は、織田信長とは形式的にいえば対等の同盟関係じゃないけど、三河の独立大名として三河一国というものを領有していた松平家の嫡子です。これを格下だと見ていたと思うけども、政治的にいえば今川の重要な同盟者、あるいは有力武将、あるいは客将としてきちんと育てていく。そして、今川の持っている文化的あるいは知的な教養を身につけ、一国を束ねて今川を支えていく。そのような武将に育てていきたいという問題意識が(太原雪斎には)あったでしょうね。

―― そこもまた幸運な出会いですね。

山内 幸運な出会いでした。そして、ある意味では、(太原雪斎のような)禅僧というのは、戦国時代から江戸時代にかけては、最大の知識人であり、最大の政治ブレーンだったわけです。

 例えば(時代的に)早いところでいうと、安国寺恵瓊と秀吉の関係、あるいは毛利輝元と安国寺恵瓊の関係です。つまり、安国寺恵瓊は両属関係だったわけです。独立化していくにしたがって秀吉についていくけれども、基本的には毛利家の使僧として出発したわけです。同時に学僧だった。そして領地・領国も与えられ、石高を持つ。実際、毛利家の外交政策を仕切っていくのは、安国寺恵瓊だった。太原雪斎も同じです。そういう役割を果たしていく。

―― でも、そういう人だから、見る目がものすごくあるわけですね。

山内 そうでしょう。実際、雪斎は信長の父の信秀と戦いますから。前線に行って戦闘の指揮までするのです。


●政治的ブレーンとして活躍した安国寺恵瓊


山内 これは恵瓊もそうなのです。関ヶ原の戦いは竜頭蛇尾に終わったのですが、恵瓊は基本的にいえば、輝元の意志を受け継いでいる。これは何て言うのでしょうかね、よく日和見というか、西軍の総大将になったからというイメージが強いのだけども、家康に対して対抗するということは。

 そういう外交が成り立つか成り立たないかということは別として、輝元の目論見と安国寺恵瓊による輝元の意志を受けた外交政策というのは、基本的に家康とは戦わないでおくというものです。そしておそらくですが、石田三成を...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念
日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは
片山杜秀
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
寛政の改革・学問吟味と現代の教育改革(1)学問吟味の導入と正統性の問題
松平定信のもう一つの功績「学問吟味」の画期性に注目
中島隆博
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
人類の祖先たちの「出アフリカ」…その時期はいつ頃?
斎藤成也

人気の講義ランキングTOP10
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
長谷川眞理子
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
川口淳一郎
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
納富信留
「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉
天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制
片山杜秀
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
教養としての世界史とローマ史~ローマ史講座・講演編(2)神々のささやく世界
「神々のささやく世界」では神々の声が行動を決める
本村凌二
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
宮脇淳子
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(1)イノベーションと価値創造
価値創造において重要なのは未来から現在を見るという視点
遠山亮子
DEIの重要性と企業経営(4)人口統計的DEIと女性活躍推進の効果
日本的雇用慣行の課題…女性比率を高めても業績向上は難しい
山本勲
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(5)シフトワークと健康問題
発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る
西多昌規