営業の勝敗、キリンの教訓
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
やられたら「倍返し」。一斉に攻めて、攻め切ってしまう
営業の勝敗、キリンの教訓(6)ライバルに圧勝した背景とは
田村潤(元キリンビール株式会社代表取締役副社長/100年プランニング代表)
「理念の実現」へと動きだし、キリンビールの巻き返しが始まった。そうすると、当然のようにライバル会社が対抗してくる。それには、どのように立ち向かったのだろうか。キリンビールがライバル会社をもろともせずにシェアを拡大することができた、その真相とは。 (全7話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分20秒
収録日:2020年9月25日
追加日:2021年3月8日
≪全文≫

●営業の常識は「やられたら倍返し」


―― たとえばキリンビールのシェアを100パーセントにするということは、逆に、アサヒビールやサントリーからすると、それまで自分のビールを使ってくれていた飲み屋さんが、ある日、キリンビールに変わってしまったという局面になります。すると、当然のことながら取り返しにきたり、「あのキリンビールの店をうちにしてやろう」となったりと、お互いにそういう形でやっていくと思います。そのようなときは、どうやって戦っていくのですか?

田村 局地戦ですよね。どのように戦っていくかというと、いろいろなことやりましたが、結局、われわれは「理念」に向かっていますから、いろいろな知恵もわいてくるし、市場のこともよくわかってしまっています。そのため、さまざまな手を打てる。例えば、営業の常識として「やられたら倍返し」というものがあります。

―― やられたら倍返し。

田村 つまり、キリンの店を相手に奪われたら、その2倍の店をキリンが奪い返すのです。A社がキリンの店をひっくり返したら、必ず2倍お返しをする。これは営業として非常に効率的です。キリンの店に手を付けたら2倍の被害を受けるわけですから、相手が二度とキリンの店を奪おうとしないのです。

―― 一瞬、こちらの店が増えたと思ったら、逆転されて、さらに陣地が減ってしまうことになる。

田村 これは絶対の鉄則です。そうすると、次からはもう奪われません。
 これは恥ずかしいのであまり言っていないのですが、ビール会社の立て看板がありますね。高知にいたときに、アサヒだったか、キリンの立て看板を捨てて自社の立て看板に替えてしまう事件がありました。小さな、取るに足らない事件ですが、それを見たキリンのセールスが、その日の夜に集まり、キリンの立て看板を100枚ほど積んで、逆にライバルメーカーの立て看板を全部替えていった。「100倍返し」です。これで次からは、そういったことは起きません。そうすると今度は、どんどん攻めることができるわけです。

 これは外交など、どの世界でもそうでしょう。相手が強く出たときにこちらが引っ込んでしまうと、失敗します。また相手が弱く出たときにこちらが強く攻めてしまっても失敗します。「やられたら2倍返し」くらいがちょうどいい。すると、誰もこちらに手を出せなくなります。これは、営業の効率が非常に良くなります。

――...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
組織改革の要諦~活性化と人材活用(1)準備、スピード、タイミング
組織改革は最初に全体像と将来像を示すのが重要
秋池玲子

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(7)ポグロムとホロコースト
歴史の中のユダヤ人大量虐殺…ポグロムとホロコーストの違い
鶴見太郎
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(5)ゴールドや暗号通貨への評価
ゴールドやビットコインへの評価は?…現代社会の写し鏡
養田功一郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
『「甘え」の構造』と現代日本(3)人間の自立と『坊っちゃん』のエピソード
『坊っちゃん』の借金問題から考える人間関係の基礎
與那覇潤
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫