営業の勝敗、キリンの教訓
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
どんどん知恵が出て、百戦百勝になるとっておきの方法
営業の勝敗、キリンの教訓(4)お客様本位で行動する
田村潤(元キリンビール株式会社代表取締役副社長/100年プランニング代表)
キリンビールの売り上げを伸ばすために、現場で試行錯誤を繰り返し、ようやくたどり着いた自分たちが目指すべき理念の実現。しかし、それを社員たちに話すも、当初は理解されなかったという。田村潤氏はどのようにして社員全体に浸透させたのだろうか。その具体的経緯に迫る。 (全7話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分59秒
収録日:2020年9月25日
追加日:2021年2月22日
≪全文≫

●どうすれば「理念」が「腹に落ちる」のか?


田村 そのときにピンときたのが、「理念」なんですね。それまで、自分も含めて、理念などというものを考えたこともなかった。それが、キリンビールがあまりにも売れなくなってしまったので(理念を考えるようになった)。キリンの理念である「お客様本位」「品質本位」に向かって挑戦していくということは頭にありましたが、ただ、そんなものが頭にあったところで、売上は全く上がりません。理念はたんなる概念ですから。ですが、この概念と日々の営業活動が、あるときにピタッと合致したときがあった。1997年の6月ごろだったと思います。

「ああ、そうか。お客様のことを考えながら、キリンがどこでもある状態をつくり、しかも『高知のお客様を大事にする』というメッセージで活動することは、高知のお客様を幸せにすることなのだ。これがキリンの理念なのだ。キリンの理念を実現するために自分たちは仕事をするのだ」ということを発見したのです。

 そのことを、高知支店の皆に話しました。ですがそのときは、「は?」というようなもので、わかってもらえませんでした。「理念」という考えはありませんでしたから。でも、ある程度、市場で動いていましたから、しばらくしたら「腹に落ちた」と言っていました。

―― どうやったら腹に落ちるのですか。これもなかなか、「言うは易く、行うは難し」の世界になってくるかもしれないですが。

田村 メンバーにしつこく言っていました。「自分たち(が仕事をするの)は、数字を上げるため、本社からの評価を高めるためではない。お客様に喜んでもらうためだ。だからもっと多くの店を回り、キリンの商品を置かなければいけない」と。この理念を頻繁に言っていました。

―― 田村先生ご自身がおっしゃっていたのですね。

田村 逆にそれ以外のことは一切言いませんでした。
 そうすると、何カ月かすると、ずっと言われていて、社員たちはある程度回っていますから、わかってくるのです。そして、私が発見して半年ほど後に、社員たちの腹にも落ちたのです。ずっと言われ続けながら実際に現場でやってみると、「頑張ればお客さんが喜んでくれる」とわかってくる。すると、「もっとやろう」と奮い立ちます。お客様に喜んでもらうとうれしいので、頑張ることができる。そうすると「これが田村の言っている経営理念なのだ」と腹に...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
いま夏目漱石の前期三部作を読む(8)『門』の世界観と日本の近代化
伊藤博文暗殺…日本近代化で本当にいいことがあったのか
與那覇潤
「江戸のメディア王」蔦屋重三郎の生涯(8)大首絵の成功と蔦重の最期
謎の絵師・東洲斎写楽を「役者絵」で起用した蔦重の思惑
堀口茉純
『タテ社会の人間関係』と文明論(8)タテ社会の構造改革を議論する
ヒントは幕末期の処士横議!?…タテ社会の構造改革に向けて
與那覇潤
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二