営業の勝敗、キリンの教訓
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営業の勝敗、キリンの教訓(2)「自立性」こそがカギだ
田村潤(元キリンビール株式会社代表取締役副社長/100年プランニング代表)
日本のサラリーマンが「指示待ち」になってしまうのは、入社してからの習い性であり、「自立性」を身に着けるのは難しい。だが、「やる気のある社員をつくる」ためには、自立性を持つしかない。しかも、明治期の日本人を振り返れば、自立性はけっして日本人が不得手とするものではなかったことがわかる。ではキリンビール高知支店では、どのように社員の自立性を引き出していったのだろうか。その真相に迫る。 (全7話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分52秒
収録日:2020年9月25日
追加日:2021年2月1日
≪全文≫

●明治の日本人の「自主自立」の精神に帰れ!


―― 以下の流れでは、それ(日本の本当の良さや理念を、もう一度、企業の中で取り戻し、日本を変えていくこと)をいかに実現していくかという、各論に迫りたいと思います。まずは「やる気のある社員をつくるにはどうすればいいか」ということについてです。これは講演会でも、先生が多くの方から質問されるテーマだということでした。この「やる気」について、どのようにお考えですか?

田村 私はやはり、「自立性」だと思います。

―― 自立ですか。

田村 どうしても「指示待ち」ですよね。私もサラリーマンでしたから、よくわかるんです。入社したときに目標を与えられ、それを達成して評価される。そのシステムでずっとやってきているのです。ですから、「自立性を持て」とよく言われますが、普通は持てないと思います。そうなっていないのです。

 自立性を持つと、自分で考えてやらなければいけないので、多少リスクが発生します。失敗したら大変です。しかし言われたことをやっていれば、失敗しても言い訳が立ちます。だから「基本的に、自立性を持つのは非常に難しい」ということが私の経験ではあるのです。

 ですが、自立性はどうしても必要だと思います。主体的に考えて行動していくことから、さまざまなイノベーションやクリエイティブなことが生まれ、生産性が高まっていくわけなので。そのため、自立して主体性を持つ人を企業の中でつくり出すことが決定的に大事なのです。

 福澤諭吉の書いた『学問のすゝめ』は、明治5年に300万部売れています。当時の日本人の10人に1人が読んだことになる。当時、本は高価なものだったので、回し読みなどもされていたでしょうから、実際はもっと多くの人に読まれていたでしょう。また同時期に『西国立志編』という本が100万部売れています。

―― サミュエル・スマイルズの『自助論』(の翻訳)ですね。

田村 これは両方とも、「自主自立」を謳ったものです。この本が、それだけ売れてしまったということは当時、明治初期の日本人にはそれを受け入れる土壌があったのでしょう。いま、この精神にかえることが重要だと思います。

 本来、日本人が持っている「自立の精神」は、企業の力で取り戻すことができるはずです。実際、キリンビールの中でそれが起きたのです。

 これは、やはり「理念」に行ったからな...

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