ウクライナ侵略で一変した国際政治
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本以上に切実なのは台湾、問われる「国を守る覚悟」
ウクライナ侵略で一変した国際政治(5)台湾問題と国際社会の声
小原雅博(東京大学名誉教授)
ロシアを相手に戦うウクライナの姿は、わたしたちに国を守る覚悟、その重さを問いかけてくる。安全保障や防衛同盟は、核恫喝のもとでどこまで頼りにできるのか。今、日本以上に切実なのは台湾である。プーチンと習近平の置かれた条件は違うが、鍵になるのはアメリカの動きである。国際社会も一枚岩ではない。国によりイデオロギーだけでなく、国益が違うからだ。それでも国際秩序を守る方向性の確認が、今後の指針となる。(全5話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:15分38秒
収録日:2022年5月10日
追加日:2022年6月24日
カテゴリー:
≪全文≫

●ウクライナ戦争は「対岸の火事ではない」


―― これは、ちょうど今(前回)の質問に似た質問になってしまいますが、(改めてお聞きします。今回のロシアによるウクライナ侵略は)ウクライナの側から見た場合、NATOに入っていなかったことは大きいと思います。しかし、NATOとしては、ウクライナ側に立って本格的な介入をしてしまうと、実際問題として、それこそ核戦争なり全面的なロシアとの対決を覚悟しなければならないことから、今の段階では武器供与のような側面支援に留まっています。

 これを東アジアで考えた場合、もし日本にどこかの国が侵攻してくるような事態を想定すると、どうなのか。前回言われたようにアメリカとの関係を強化して、日米同盟に書かれている通りの軍事行動がアメリカ軍によって行われればいいけれども、そうでない場合、どうするのか。武器供与はあっても誰も助けてくれなければ、日本人はウクライナのように頑張って戦い続けるのかどうか。極東から見ている日本人としても、いろいろ考えさせられるところだと思いますが、どのようにお考えになりますか。

小原 これは難しい問題です。平和は本当にただなのかというと、それにはやはりコストがかかっている。そのコストとは、国防の防衛費や同盟維持のためのコストだけではなくて、ひょっとしたら血を流さないといけないかもしれないところまで、われわれは覚悟を持っているかどうかということになってきます。ただ、そこをギリギリまで詰められるかというと、「それは仮定の話です」ということになり、なかなか実際にはピンとこない話です。

 ウクライナの戦争を本当に「対岸の火事ではない」と認識できるか。自分たちにも最悪のケースが起こるかもしれないと念頭に入れながら、そのときにどうするか、自分たちの国を守る覚悟はあるのか、というところを、今回のケースでわれわれは問われているような気がします。これは相当大変なことです。


●日本以上に切実な台湾――アメリカの台湾関係法と戦略的曖昧


小原 日本以上に切実なのは台湾です。台湾の人たちには、ウクライナの人たちのように、自分たちの土地を血を流しても守り切る覚悟があるか、ないか。ここが問われてくるのだろうと思います。

 台湾の場合は、ウクライナと違ってアメリカに「台湾関係法」があります。ウクライナの場合はNATOに入っていないですし、アメリカとの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(2)ノイズと半身社会の処方箋
ノイズを楽しむ――半身社会の「読書と教養のすすめ」
三宅香帆
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は
杉山晋輔
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
新撰組と幕末日本の「真実」(6)新撰組結成と清河八郎、芹沢鴨
清河八郎と芹沢鴨…乱闘事件や大和屋焼討事件の真相とは?
堀口茉純