デュポンから見た世界と日本
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デュポンから見た世界と日本(4)長期的なオンリーワン戦略で飛躍する日本企業
経営ビジネス
田中能之(元デュポン株式会社取締役会長/湧永製薬株式会社取締役)
今後10年、20年を見据えたとき、日本企業は一体何を目指すべきなのか?強いビジネスを実現するための戦略と、そこでキーパーソンとなる新たな人材像とは。デュポン株式会社代表取締役社長・田中能之氏に聞いた。(全4話中第4話目、インタビュアー:大上二三雄氏/エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役)
時間:6分40秒
収録日:2014年9月10日
追加日:2015年1月15日
≪全文≫

●日本企業は、長期的なオンリーワン戦略を持て


大上 では、日本の化学産業のいろいろな付き合いもあるでしょうし、あるいは、当然コンペティターとしていろいろ見ておられると思うのですが、今日は一度デュポンジャパンの社長という立場を離れていただいて──もちろん離れられないとは思うのですが─―、日本の一化学産業に関わる人間として見て、日本の化学産業の今後10年を考えたときに、メッセージを、ぜひお願いしたいのですが。

田中 メッセージというか、私なりに思うことは、一つは、デュポンがやったようにということではないのですが、将来のことを、10年、20年、30年先まで考えて、この会社をどのような方向にもっていくかをしっかり決めることは、やはり一つ重要なことではないかと思います。

 そのときに、先進国で、高コストの国である日本でやるのであれば、コスト低減の追求が一番にくるのはもうおかしいのではないかと思うのです。そうではなく、「自分たちがどこが違うのか」という差別化を一番にしなくてはいけないのではないかと思います。「ナンバーワンでなくオンリーワン」というようなことを昔よく言っていましたが、「本当にオンリーワンになるためにはどうしたらいいか」とか、「オンリーワンになれるところはどこだ」というようなことを中心に置いた戦略が、日本にはいいのではないかと私は思います。

大上 中堅の化学メーカーでは、確かにそういういい会社がたくさんありますね。では、大きいところはどうすればいいのですか。

田中 大きいところは、その中で自分たちがオンリーワンになれるビジネスはどれか、それを伸ばしましょう、と考えるべきです。オンリーワンになれないビジネスはどれか、では、それをデュポン方式で売却するか、合弁で大きくするか、ということですね。持っていてそのままというのが一番よくないのではないかと思います。そのように、しっかりと分けた形で、ビジネスごとに戦略を考えないといけないのではないかと思います。

大上 ある人が言うには、日本の大手化学メーカーは皆、「洗面器に顔をつけて最後まで顔を上げなかった人が勝ち」「ただし、死んでしまったら負けだ」ということです。何かそういうゲームをやっているのではないかと言っている人がいるのですが、どう思いますか。

田中 そういう部分はあるとは思いますね。あるとは思うのです...

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