●Outlook…メールを自動で選別し、有能なアシスタントに
渡辺 そしてOutlookです。これは、個人が作業するというよりは、もう少し人とのコミュニケーションをどのようにやっていくかということに使われて、皆さんもお使いいただいているかと思います。これもなかなか面白いことをやっています。
皆さんお忙しいと思うので、電子メールを全部キャッチアップするのが難しいということで、今、Copilotに優先度の高いメールをピックアップして教えてくれというふうに指示をしています。
そうしたところ、1つ優先度の高いメールをピックアップしてくれました。これは面白いので止めますけれど、マヤ・ロビンソンさんという方の、先ほどのExcelで見たデータに関連しているのですが、「この分類の商品の売上高がずいぶんと落ちているみたいなのだけれど、これについてどうなっているのか教えて」というメールなのです。
これはたしかに、すぐ返事したほうがいいではないですか。なので、Copilotがこの文脈を読み取ってくれているのだと思うのですけれど、それで、このメールに早く返事をしたほうがいいですよ、というふうに言っているということなのです。
それで、今、いくつか候補が出ていますけれども、(同様に)「明日お話ししましょう」「今調べています」「もっと分析をすることを提案します」という3つの候補があるのですが、あまりいい返事ではないですよね。その場合「カスタム」というボタンを押すと、もっとカスタマイズされた返事をCopilotが作文してくれるということなのです。
それをモバイルでもできますというふうに言っています。
これが、今までこのマヤさんとどういうやりとりがされていたかについての概略を、「こういう話でしたよ」というふうに教えてくれていて、では、こういう話だったらやはりカスタムのメールをちゃんと書いて返事をしたほうがいいねということで、カスタムというボタンを押すと作文をしてくれるということなのです。
さらに先ほどのデータも貼り付けて、もしもこの部分で前四半期と同じ成長率を維持できていたらという分析でしたよね。そのことをメールに書いています。
さらに、そのまま送るのがいい場合と、そうではない場合がもちろんあると思うので、アジャストということをできるようになっているのですけれど、長くするか、短くするか。あるいはライティングスタイルです。これは英語ですけれど、プロフェッショナルなスタイルにするのか、ニュートラル、カジュアル、メイク・イット・ポエムとあるのは、詩みたいにしてくれということです。それはどういうときに使われるのかわからないですが(笑)。
―― (笑)はい。
渡辺 そういうことをやって、この会話のコンテキストに合うようなところまで調整したら、あとはご自身でsendボタンを押すということです。そういうワークスタイルになっているというのがOutlookの未来像といいますか、もうすぐ出てくるアプリケーションということになっております。
―― いまOutlookの例を見せていただきました。文章をあそこまで作ってくれるということは、当然、使い込んでいけば使い込んでいくほど、たとえば、それを直す癖だとか、この人はこういうパターンを返したがるということを学んで、どんどん提案をしてくるようになってくるということですか。
渡辺 そうですね。このマイクロソフトの製品ということだけではなくて、AIの使い方一般ということで申し上げると、当然そこのユーザーの癖であったり、このユーザーがよく求めるような仕事のしかたのようなものをどんどん覚えて、解決策、勘所のようなものを学習して高度化していくということができるようになってきます。ですので、たとえば、アシスタントが「かゆいところに手が届く」ような状態をつくり出すということはもちろん現実的になってくると思っています。
―― たとえば日本の企業社会ですと、本当に有能な秘書の方ですとか、有能なアシスタントの方が付く職種、付く立場の方というのはそう多くはなく、限られた方になると思いますけれども、ある意味ではそれに近いもの、もしかするとそれを超えるようなものが、このソフトによって実現してしまうかもしれないということになるわけですね。
渡辺 そうですね。実現します。
―― 「実現します」なんですね。
渡辺 そう言っていいと思いますし、人間のアシスタントの方もおそらくこういうものを使いこなすのでしょうね。
―― なるほど。
渡辺 そのことによって、よりエクゼクティブを支援する質やスピードを高度化できるのではないかというふうに思いますね。
―― はい。
●Teams・・・会議の議事録から要約までをこなすCopilot
渡辺 これはOutlookだったのですけど、Teamsをお使いになるかと思いま...