禅とは何か~禅と仏教の心
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「ブッダに帰れ」――禅とは己事究明の道
禅とは何か~禅と仏教の心(2)仏典漢訳から日本仏教へ
藤田一照(曹洞宗僧侶)
禅とは己事究明の道であるとして、本当の己は何かを究明していく。インドから伝わった仏教を中国が受容するには仏典漢訳の手続きがあり、経典のことばを尊ぶ傾向が生まれる。経典よりブッダ自身に学ぼうとしたのが禅の芽生えである。これが日本に伝わると、より日本人になじみやすくその形を変えていく。それが道元や親鸞の描く仏教である。(全7話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分13秒
収録日:2024年8月9日
追加日:2025年1月20日
カテゴリー:
≪全文≫

●己事究明の道と「仏典漢訳」


藤田 禅とは「己事究明(こじきゅうめい)」の道であると。「こ」は自己の「己」、「じ」は事件の「事」。それらを究明していく。「己とは何か」「本当の己とは何か」ということを、どこまでも究明していく。それを道とし、自分の生き方として歩いていくのが禅だというのが、私が最初に禅と出合ったときに、ある老師からの提唱の中で聞いた言葉でした。

 私は当時、心理学の博士課程の学生でしたが、「私がやりたいのはそういうことだったんだ」と感じました。本当にやりたかったのは学問としてやるのではなく、生き方としてそういうことをやる。本当はそれがやりたかったというのが遅まきながら分かったので、大学のキャンパスというアカデミックな世界の中ではなく、禅の伝統の中でやろうと覚悟が決まりました。それで(大学院を)中退してお寺に入った。それが、私の場合のシフトということになります。

―― 今の己事究明という言葉に、また大きなヒントが一つあるように思いますが、少し戻って中国の伝統とインドの伝統の融合という話をお聞きしたいと思います。先生がご本でお書きになっていたのは、インドからたくさんの経典が中国にやってくると、当然、漢訳される(中国語に訳される)とのことでした。

藤田 はい。

―― そうなってくると当然、まずそれを研究していく(ための)学問的な仏教、学問としての仏教が非常に隆盛を誇ることになった。その中で、仏教の原点に回帰するようなものを求めて、禅というものが生み出されてきたのではないか、と。ある意味ではプロテスタンティズム的なものも含めて、「本当の仏教とは何か」「本当の宗教とは何か」ということで生まれたのではないかとお書きになっていました。そういう要素は、やはり非常に強いのですか。

藤田 そうですね。最初はまず経典の翻訳という段階があります。その次は、翻訳された経典を学問的に勉強する。どういう意味があるのか、と哲学的な探究が起こるわけです。それはそれで貴重なことだと思いますが、そうなると、仏教というものは「経典の中にある」というようなことになってくるわけです。

 でも、あるグループの人たちがブッダのやったことに注目して、「ブッダはそういうことをやっていないではないか」ということに気づく。ブッダの生き方、ブッダの語ったことが口伝でずっと残されて、長いあいだ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
道徳と多様性~道徳のメカニズム(1)既存の道徳の問題点
多様性の時代に必要な道徳とは…科学的アプローチで考える
鄭雄一
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝

人気の講義ランキングTOP10
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(2)吉田昌郎所長の機転と決断
なぜ部下たちは「吉田昌郎所長となら死ねる」と語ったのか
門田隆将
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
インフレの行方…歴史から将来を予測する(3)戦後の日本経済と海外のインフレ率
オイルショック、バブル…過去と現在の環境の共通点は?
養田功一郎
こどもと学ぶ戦争と平和(3)「小さな外交官」と少年兵の問題
外国が攻めてきたらどうすればいい?戦争と少年兵の問題
小原雅博
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
『三国志』から見た卑弥呼(1)『魏志倭人伝』の邪馬台国
異民族の記述としては異例な『魏志倭人伝』と邪馬台国
渡邉義浩
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二