ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
第2話へ進む
ラフカディオ・ハーンの遺著『神国日本』の深い意義とは?
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(序)『ばけばけ』と『神国日本』
賴住光子(東京大学名誉教授/駒澤大学仏教学部 教授)
NHKの朝ドラ(連続テレビ小説)『ばけばけ』で注目を集めたラフカディオ・ハーン。彼の遺著『神国日本 解明への一試論』は、「祖先崇拝」という補助線で、日本人の美しい精神性の謎を見事に解き明かした本であった。また、実は戦後日本の運命を決めた「歴史を動かした一冊」でもある。加えて、古き日本人が持っていた高潔な美しさだけでなく、その背景にある「恐ろしさ」も見出し、さらにその後の日本の「大敗北」を予見するかのような鋭い警告も綴られていた。ラフカディオ・ハーンのメッセージが、「縁の結び直し」を求める現代のわれわれの心にどう響くのか。ラフカディオ・ハーンの眼を通して日本文化の深層を探る講義シリーズの「序論」。(全8話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:9分44秒
収録日:2026年2月20日
追加日:2026年3月23日
≪全文≫

●NHK朝ドラ『ばけばけ』とラフカディオ・ハーン『神国日本』


―― 皆様こんにちは。

頼住 こんにちは。

―― 本日は頼住光子先生に、ラフカディオ・ハーンの『神国日本』という本についてお話を伺います。ラフカディオ・ハーンといえば、ちょうど2025年から2026年の朝ドラ『ばけばけ』で取り上げられていて、なかなか面白いドラマでした。

頼住 はい。

―― 特にハーンの書いたものを知っていると、例えばハーンが出雲地方に来た時の町の景色や、朝早く起きて見たシーンの描写が重なって見えてきます。漁師さんが太陽にお祈りしているシーンがパッと映ったりすると、「ああ、これはそういうことなんですね」と分かって、すごく面白い見え方がしてきます。

 頼住先生は、このラフカディオ・ハーンという人が、現代日本においてどのような意味を持っていると思われますか。

頼住 はい。このラフカディオ・ハーンですが、『神国日本』という本は彼の最後の著作ということになります。その中で「日本人というものが、いったいどういう人たちなのか」ということを、「外からの目」で書いてくださっていることが非常に大きいと思います。

 日本人だと、自分のことなのでなかなか見えなかったり分からなかったり、あるいは無意識的になってしまったりするような、日本人の宗教性や道徳性、倫理性。そういったものを、外からの視点として非常に具体的に、そして感性豊かに残してくださっていると感じます。

―― 『神国日本』と言うと、現代では響きとして「ん?」と疑問に思って構えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。これについては後の講義で詳しく説明しますが、実はハーン自身が原稿の冒頭に「神国」という言葉を記していたということがあります。そのあたりの経緯は、次の講義で詳しく見ていきたいと思います。それにしても、本当に「あの時代の日本人の美しさ」を、よくここまで描いてくれましたね、と感じる本ですね。

頼住 そうですね。本当に「日本人の良さ」というものを、――もちろん、その反面にある「問題性」についても触れているわけですが――、その良さを非常に曇りのない目で見つめて書いてくださっています。

 この時代の西洋人の日本観というのは、たとえ日本を非常に好意的に見ていたとしても、やはり「未開な国」だとか「西洋から...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(1)米を食べる日本人と『分裂病と人類』
日本人の生きづらさの特徴は?~中井久夫著『分裂病と人類』
與那覇潤
「徳」から生まれる「感謝の人間関係」
「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
田口佳史
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(13)心の「柔軟性」を高めるヒント
【10minでわかる】心の「柔軟性」を高めるヒント
テンミニッツ・アカデミー編集部
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(3)救った人数とゴールデンブックの謎
樋口季一郎のユダヤ難民救出数は?ゴールデンブックの謎は?
門田隆将
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(9)ユダヤ人の多様性
ユダヤ人は一枚岩ではない…米国ユダヤ人のイスラエルへの違和感
鶴見太郎
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
生き抜くためのチカラ~為末メソッドに迫る(4)人生の勝敗を考える
幸せの鍵「なにげなさ」とは何のことか
為末大
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
「不便益」とは何か――便利の弊害、不便の安心
川上浩司