FEDの金融政策、米国株価から見る日本経済の今後
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
日本の市場に大きな影響を及ぼす米国の金融政策
FEDの金融政策、米国株価から見る日本経済の今後
植田和男(第32代日本銀行総裁/東京大学名誉教授)
過去20年間の米国株価の下落時には日本の株価も下落傾向にあった。今後の米国の金融政策に応じて株高が続く米国経済はどう動き、日本の資産価格と経済はいかに見通せるだろうか。経済学者 植田和男が解説する。
時間:9分04秒
収録日:2014年2月13日
追加日:2014年2月24日
 今日はわりと年初ですので、今年から来年のどこかまでかにかけての資産価格と経済の動きについて、非常に予測が難しいということを、お話してみたいと思います。色々な意味で難しいのですが、特にアメリカの金融政策がマーケットおよび経済に与える影響がどうなるかということは、非常に大きな決定要因でして、その影響を受けて日本も円、株価、そして実体経済が大きく動いていくと予想されます。


●過去20年間の日米の株価トレンド


 どのようにアメリカの経済、金融政策が動いていくか自体難しいのですが、それについてお話してみたいと思います。

 こちらは日米の過去20年間くらいの株価のグラフになっています。赤がアメリカ、青が日本になっています。明らかにアメリカの株価は、なんとなくトレンドとして上がっている傾向の中で上下。日本ははっきりしない、上下のトレンドがない中で、上がったり下がったりですが、明らかにアメリカが下がるときは、日本もはっきり下がっています。ですので、アメリカが今後下がると、日本はどうなるのかということが、非常に懸念されるのです。


●米国株価推移と現在の株高要因


 そこで、今度アメリカだけについて詳しくお話してみたいと思います。

 これは、先ほどと同じアメリカの株価、S&P500種指数という株価インデックスですが、過去20年間で、今がピークかどうか分かりませんが、ピークのようなものが3つあることが分かります。過去2つがここです。過去2つはここから暴落して、半分くらいになっています。現在は過去2つのピークを少し超えて、史上最高値のところにあって、いろいろ下がるのではないかと言われつつも、値を保っているという状況です。

 なぜこんなに最近のアメリカの株価が強いのかということに関しては、いろいろな説があって分かりにくいわけですが、一つはリーマンショック以降の金融危機も一段落してきた。それから実体経済で、例えばシェールガスや、あるいはIT関連の分野で3次元プリンタ、Squareという決済機能など新しいIT関連の動きがありますが、そういうものが非常に強いので、それらを反映して株価も強い、という説が一つ有力かと思います。

 ただ、もう一つ有力な説は、金融政策の影響を強く見るという説かと思います。過去を見ていただいても、ご記憶の方もいると思いますが、ここでいわゆるLTCM危機というのがあって、金融緩和を1回...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(2)「時代の大転換期の選挙」特集を解説!
「大転換期の選挙」の前に見ておきたい名講義を一挙紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
これからの社会・経済の構造変化(4)日本企業の課題と組織改革の壁
日本の場合、トップダウンよりボトムアップで変えるべき?
柳川範之
AI時代と人間の再定義(5)AI親友論と「WE」という概念の問題
AI親友論って何?「Self-as-WE」と京都学派の思想
中島隆博
ポスト国連と憲法9条・安保(2)有志多国籍軍と西側同盟の可能性
国連改革は可能か…残されているのは「西側同盟」の可能性
橋爪大三郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
プロジェクトマネジメントの基本(7)アジャイルプロジェクトと成功の鍵
発注側と受注側で異なるプロジェクトの成功・失敗要因
大塚有希子
会計検査から見えてくる日本政治の実態(3)戦後初となる補正予算の検査
繰越金が4割も…戦後初「補正予算の会計検査」の実態
田中弥生
哲学から考える日本の課題~正しさとは何か(1)言葉の正しさとは
「正しい言葉とは何か」とは、古来議論されているテーマ
中島隆博
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(5)共存・共生のための理性
共生への道…ジョン・ロールズが説く「合理性と道理性」
齋藤純一