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「片付けられない女」に聞く―片付けられない理由
ゴミ屋敷が話題になったのは一昔前。ここ数年、断捨離など「片付け」ブームが主流ですが、また「ゴミ屋敷掃除」という清掃業者や便利屋さんのチラシを目にすることが多くなりました。テレビでもしばしば、汚部屋に住む女性が登場したり、「片付けられない女」特集が組まれたり、掃除や整理整頓ができない女性たちが再び話題になっています。
そもそも片付けの上手い下手は男女差ではなく個人差のはず。しかし、女性は本来「掃除が得意」「キレイ好き」というイメージがあり、「片付けられない女」に世の中の風当たりは強め。かく言う私(女性スタッフ)も片付けは苦手で、仕事が多忙を極めると部屋は散らかりがち。忙しくてもきれいな部屋をキープしている人を見ると「なぜ私は片付けられないの…」と溜め息が。
そこで、同じような悩みを持つ女性たちにお話を伺い、この「なぜ私は片付けられないの…」という共通の悩みの原因を一緒に考えてみることにしました。
―捨てたくない、という気持ちが強くあるのですか?
S「捨てたい。でも物を大切にと躾けられたし、捨てたら後悔するかも、もったいない、そんな想いが交錯して、また今度と先延ばしにしてしまいます。」
―断捨離してみようと思ったことは?
S「あります。潔く断捨離する人を見ると自分はダメだなと思う。でも冷たい人だなと思ったり、なぜか自分も捨てられたゴミみたいな気分になるんです。」
―もしかして、捨てることは、自分を捨てることのように感じていますか?
S「確かに自分の一部がなくなるようで不安。もし結婚することになって新居にこの荷物を持ってくるなと言われたら、裸で行くような気持ちになるかも。これじゃ結婚も無理かな。」
Sさんは、物に囲まれないと自分の居場所だと安心できず、外出時も大荷物になりがちで「変化が苦手で失敗したくないという気持ちから、慎重になっちゃうんですよね。」と言います。Sさんの場合、その自分への自信のなさが、物への依存と、捨てられずに片付けられないことに繋がっているのでは、という結論に至りました。
―なぜ冷蔵庫が3つあるんですか?
M「安かったり美味しそうな物があると、まとめ買いしちゃう。整理するのも面倒で冷蔵庫を増やしました。食材以外も、ちょっといいなと思うと後先考えずに買ってしまう。無いから買うとか必要だから買うとか、もう少し目的を持って買いたいとは思っているんですが。」
―その衝動買いの影響で片付けができず散らかってしまうのでしょうか?
M「時々片付けも衝動的にやるんですが、続かない。物を買う、物が増える、掃除が大変になるという悪循環。昔から先のことを考えるのが苦手で、目先のことしか目に入らないタイプで。」
そんな買物依存気味のMさんは、実は両親を幼い時になくし親戚に育てられ、いつも欲しいものが買えずにいたそうで、それが衝動買いの原因のひとつかもと話し合いました。生い立ちを知る夫は我慢していましたが、浪費と片付けの出来なさに「もう限界、離婚したい」とつぶやいたことも。しかしその言葉をきっかけに「夫がくつろげる状態に」という片付けの目標ができ、少しずつですが計画的に行動できるようになってきたよう。目標と、「離婚したくない」という先のことを考える想像力を得たことで、片付けられない女を卒業できるかもしれないと可能性を感じました。
たとえばMさんは、つらい過去の経験から、いま手に入れられる幸せを第一優先して考えてしまうマインドが片付けを後回しにしてしまうことに影響しているのは明白でした。またSさんは自分自身に自信がなく自己評価が低いため、持ち物=自分の価値だと感じて、どんどん物を増やし部屋が散らかってしまっているような印象を受けました。
よく部屋の状態は心の状態を表すと言います。私自身も仕事に追われて片付けができないと言い訳することもありますが、片付けができないのは時間の問題ではなく、忙しさで荒んだ気持ちが原因なのかもしれません。もし部屋が片付いていないなと思った時は、自分の、そして家族の精神状態を見極めてみる努力や工夫も大切なことなのかもしれませんね。
そもそも片付けの上手い下手は男女差ではなく個人差のはず。しかし、女性は本来「掃除が得意」「キレイ好き」というイメージがあり、「片付けられない女」に世の中の風当たりは強め。かく言う私(女性スタッフ)も片付けは苦手で、仕事が多忙を極めると部屋は散らかりがち。忙しくてもきれいな部屋をキープしている人を見ると「なぜ私は片付けられないの…」と溜め息が。
そこで、同じような悩みを持つ女性たちにお話を伺い、この「なぜ私は片付けられないの…」という共通の悩みの原因を一緒に考えてみることにしました。
「捨てられない」 物に依存し、振り回されるOL
「SNSで友人の”断捨離してゴミ袋5つ捨てました”的な投稿を見ると、苦しく悲しい気持ちになります」そう語るのは、まるで土産物屋のように所狭しと雑貨や服で溢れた部屋に住む35歳OLのSさん。物が捨てられず増える一方で、部屋全体がウォークインクローゼットと化し散らかっています。―捨てたくない、という気持ちが強くあるのですか?
S「捨てたい。でも物を大切にと躾けられたし、捨てたら後悔するかも、もったいない、そんな想いが交錯して、また今度と先延ばしにしてしまいます。」
―断捨離してみようと思ったことは?
S「あります。潔く断捨離する人を見ると自分はダメだなと思う。でも冷たい人だなと思ったり、なぜか自分も捨てられたゴミみたいな気分になるんです。」
―もしかして、捨てることは、自分を捨てることのように感じていますか?
S「確かに自分の一部がなくなるようで不安。もし結婚することになって新居にこの荷物を持ってくるなと言われたら、裸で行くような気持ちになるかも。これじゃ結婚も無理かな。」
Sさんは、物に囲まれないと自分の居場所だと安心できず、外出時も大荷物になりがちで「変化が苦手で失敗したくないという気持ちから、慎重になっちゃうんですよね。」と言います。Sさんの場合、その自分への自信のなさが、物への依存と、捨てられずに片付けられないことに繋がっているのでは、という結論に至りました。
片付けられず離婚の危機! 買物が止まらない主婦
「計画性がないんですよね。」そう語る42歳主婦のMさん(2人の子持ち)のリビングは、畳まれていない洗濯物や玩具や雑誌で足の踏み場もなく埃だらけ。キッチンには洗われないままの鍋が4つも放置され、冷蔵庫にいたっては3台設置されています。―なぜ冷蔵庫が3つあるんですか?
M「安かったり美味しそうな物があると、まとめ買いしちゃう。整理するのも面倒で冷蔵庫を増やしました。食材以外も、ちょっといいなと思うと後先考えずに買ってしまう。無いから買うとか必要だから買うとか、もう少し目的を持って買いたいとは思っているんですが。」
―その衝動買いの影響で片付けができず散らかってしまうのでしょうか?
M「時々片付けも衝動的にやるんですが、続かない。物を買う、物が増える、掃除が大変になるという悪循環。昔から先のことを考えるのが苦手で、目先のことしか目に入らないタイプで。」
そんな買物依存気味のMさんは、実は両親を幼い時になくし親戚に育てられ、いつも欲しいものが買えずにいたそうで、それが衝動買いの原因のひとつかもと話し合いました。生い立ちを知る夫は我慢していましたが、浪費と片付けの出来なさに「もう限界、離婚したい」とつぶやいたことも。しかしその言葉をきっかけに「夫がくつろげる状態に」という片付けの目標ができ、少しずつですが計画的に行動できるようになってきたよう。目標と、「離婚したくない」という先のことを考える想像力を得たことで、片付けられない女を卒業できるかもしれないと可能性を感じました。
「片付けられない」と、メンタルの深い関係
「片付けられない女」は、だらしないとか、面倒くさがり、といった性格のせいにもされがちですが、どうやらメンタルな部分がその原因となっていることも多いようです。たとえばMさんは、つらい過去の経験から、いま手に入れられる幸せを第一優先して考えてしまうマインドが片付けを後回しにしてしまうことに影響しているのは明白でした。またSさんは自分自身に自信がなく自己評価が低いため、持ち物=自分の価値だと感じて、どんどん物を増やし部屋が散らかってしまっているような印象を受けました。
よく部屋の状態は心の状態を表すと言います。私自身も仕事に追われて片付けができないと言い訳することもありますが、片付けができないのは時間の問題ではなく、忙しさで荒んだ気持ちが原因なのかもしれません。もし部屋が片付いていないなと思った時は、自分の、そして家族の精神状態を見極めてみる努力や工夫も大切なことなのかもしれませんね。
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