社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
無意識にやってるかも…会社の「老害」の特徴
「健康」というと、ふつうは医学や栄養学を思い浮かべますが、社会学的な視点からアプローチする「健康社会学」という分野がここ最近注目されています。
『他人をバカにしたがる男たち』の著者であり、健康社会学者の河合薫氏の研究テーマはとくに興味深く、社会にはびこる「他人をバカにしたがる人」、すなわち「ジジイ」の生態を分析しています。
なぜ、日本社会はジジイ化が進んでいるのでしょうか。健康社会学という視点から日本を覗いてみましょう。
「駅やコンビニで暴言を吐く」「上だけを見て仕事する」「反論してこない人にだけ高圧的」「相手の肩書き・学歴で態度が別人」、また、「前例がない」「そんなことやって責任を取れるのか」が口癖。これらもみんな「ジジイ」の特徴です。
このように「ジジイ」は、「自己保身」に長けており、組織内で得た「既得権益」を振りかざすような人たちであり、そこには女性も含まれます。ジジイ化は女性の中でも進んでいるのです。
「ジジイ」は「クラッシャー上司」を彷彿とさせます。クラッシャー上司とは、「部下を精神的に潰しながら、どんどん出世していく人」のこと。実際に、河合氏は『クラッシャー上司』の著者である松崎一葉氏と「日経ビジネス オンライン」において、「上司と部下の力学」というテーマで対談しています。
無理やりまとめると、「ジジイ」や「クラッシャー上司」は「老害」という言葉に集約できるかもしれません。
(1)自分の若いころと比べ、つい若い世代の仕事のやり方に口出ししてしまう
(2)つい自分の体験談や自慢話をしてしまう
(3)以前の人間関係を引きずり、昔の部下や後輩に命令口調で話してしまう
(4)経験が豊富にあるので、若手にはできないことが自分にはできると思う
(5)デジタル技術にうとく、エクセルやパワーポイントの資料作成を人に頼んでしまう
(6)電話を取るのは若手の仕事だと思っている。電話に出ても相手の言葉にいらいらして、横柄に話してしまう
(7)定年後も働く理由について「家にいると妻や家族が嫌がるから」「健康のため」など、周囲の士気が下がることを言ってしまう
(8)冗談のつもりでも「給与が半分になったから、仕事も半分しかしない」など、やる気を疑われる発言をする
(9)人の話を聞かなくなった、とよく言われる
(10)「この仕事は自分に合わない」と、与えられる仕事のより好みをする
作家の斎藤美奈子氏は『他人をバカにしたがる男たち』を読んで「カタカナ多めのビジネス書だけど、自分を振り返るにはいいかも。私もちょっとヤバイです」と書評に漏らしています。
いつのまにか、「ジジイ」「クラッシャー」「老害」なんてことにならないように、日頃から気をつけましょう。
『他人をバカにしたがる男たち』の著者であり、健康社会学者の河合薫氏の研究テーマはとくに興味深く、社会にはびこる「他人をバカにしたがる人」、すなわち「ジジイ」の生態を分析しています。
なぜ、日本社会はジジイ化が進んでいるのでしょうか。健康社会学という視点から日本を覗いてみましょう。
女性の中にも「ジジイ」はいる
「ジジイ」とは何か。河合氏は「日経ビジネス オンライン」のインタビューにおいて「『既得権益』をリソース(対処資源)としている人たち」と答えています。「駅やコンビニで暴言を吐く」「上だけを見て仕事する」「反論してこない人にだけ高圧的」「相手の肩書き・学歴で態度が別人」、また、「前例がない」「そんなことやって責任を取れるのか」が口癖。これらもみんな「ジジイ」の特徴です。
このように「ジジイ」は、「自己保身」に長けており、組織内で得た「既得権益」を振りかざすような人たちであり、そこには女性も含まれます。ジジイ化は女性の中でも進んでいるのです。
「ジジイ」とクラッシャー上司と老害
河合氏は「ブランド」で大学や企業を選ぶ時点で「ジジイ化」は始まっていると述べています。「ジジイ」は「クラッシャー上司」を彷彿とさせます。クラッシャー上司とは、「部下を精神的に潰しながら、どんどん出世していく人」のこと。実際に、河合氏は『クラッシャー上司』の著者である松崎一葉氏と「日経ビジネス オンライン」において、「上司と部下の力学」というテーマで対談しています。
無理やりまとめると、「ジジイ」や「クラッシャー上司」は「老害」という言葉に集約できるかもしれません。
老害度チェック!
日本経済新聞は「老害度チェックリスト」を公開しています。項目は以下の通りです。もし、6つ以上当てはまれば「立派な老害」、3つ以上なら「老害候補」とのこと。(1)自分の若いころと比べ、つい若い世代の仕事のやり方に口出ししてしまう
(2)つい自分の体験談や自慢話をしてしまう
(3)以前の人間関係を引きずり、昔の部下や後輩に命令口調で話してしまう
(4)経験が豊富にあるので、若手にはできないことが自分にはできると思う
(5)デジタル技術にうとく、エクセルやパワーポイントの資料作成を人に頼んでしまう
(6)電話を取るのは若手の仕事だと思っている。電話に出ても相手の言葉にいらいらして、横柄に話してしまう
(7)定年後も働く理由について「家にいると妻や家族が嫌がるから」「健康のため」など、周囲の士気が下がることを言ってしまう
(8)冗談のつもりでも「給与が半分になったから、仕事も半分しかしない」など、やる気を疑われる発言をする
(9)人の話を聞かなくなった、とよく言われる
(10)「この仕事は自分に合わない」と、与えられる仕事のより好みをする
作家の斎藤美奈子氏は『他人をバカにしたがる男たち』を読んで「カタカナ多めのビジネス書だけど、自分を振り返るにはいいかも。私もちょっとヤバイです」と書評に漏らしています。
いつのまにか、「ジジイ」「クラッシャー」「老害」なんてことにならないように、日頃から気をつけましょう。
<参考サイト>
・『他人をバカにしたがる男たち』(河合薫著、日本経済出版社)
・『クラッシャー上司』(松崎一葉著、PHP研究所)
・日経ビジネス オンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/100300125/
・ 河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学「窮地のクラッシャー上司は、あの言葉を繰り返す」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/031600097/?P=2
・日本経済新聞:「老害度」10項目でチェック
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO94103800X11C15A1I10000/
・『他人をバカにしたがる男たち』(河合薫著、日本経済出版社)
・『クラッシャー上司』(松崎一葉著、PHP研究所)
・日経ビジネス オンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/100300125/
・ 河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学「窮地のクラッシャー上司は、あの言葉を繰り返す」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/031600097/?P=2
・日本経済新聞:「老害度」10項目でチェック
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO94103800X11C15A1I10000/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
お酒やコーヒーなど世の中には睡眠に良くないのではないかといわれるものがある。また、現代においては特に、スマホの「ブルーライト」が睡眠には大敵だといわれているが、それらは本当に悪者なのか。一般に良い睡眠を妨げると...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/11/30
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
現代社会にとって空海の思想がいかに重要か。AIが仕事の仕組みを変え、超高齢社会が医療の仕組みを変え、高度化する情報・通信ネットワークが生活の仕組みを変えたが、それらによって急激な変化を遂げた現代社会に将来不安が増...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/12
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
高度成長のために頑張った日本は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の評価を得たが、その後の日本企業の凋落、競争力の低下を考えると、その弊害を感じずにはおられない。読書人口が減っている現状をみると、いつのまにか「世界...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/12/01
史料読解法…江戸時代の「全国の藩校ランキング」を探る
歴史の探り方、活かし方(6)江戸時代の藩校レベルを分析
江戸時代の藩校に関する研究は多いが、当時は藩ごとに小国家を形成していたため、学力水準を全国で比較したものは見当たらない。では、あえて「全国藩校ランキング」を考えるとすると、どの藩の藩校が「トップ校」になるのだろ...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/29
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
国際社会における中国の動きに注目が集まっている。新冷戦ともいわれる米中摩擦が激化する中、2021年7月に中国共産党は創立100周年を迎えた。毛沢東以来、初めて「思想」という言葉を党規約に盛り込んだ習近平。彼が唱える「中...
収録日:2021/07/07
追加日:2021/09/07


