社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
ブーメラン社員急増中!辞めた社員を雇う理由
バブル経済期までの日本企業は新卒採用・年功序列・終身雇用が大前提で、退職した社員を「裏切り者」とみなす企業も多く、一度退職すれば二度と同じ企業に就職できないという考え方が当たり前でした。
しかし、バブル崩壊後の長引く不況下にある近年、多くの企業が大前提を保持できなくなり、退職した社員への対応にも変化が出てきています。この新しい流れを象徴するのが「出戻り社員」の急増です。
出戻り社員を求める企業は、どのような点に魅力を感じているのでしょうか。
最大のメリットは即戦力になること。即戦力といえば中途採用社員も優れたスキルを身につけていることが多いですが、出戻り社員はスキルだけでなくその企業のシステムややり方にも通じているので、教育する時間やコストが大幅に抑えられます。
出戻り社員の年齢と性別では、30代の男性が46%と最も多く、次いで40代の男性が36%。女性では30代の割合が15%と最も多く、中心はバリバリ働ける年代です。この点からも、企業はすぐに活躍してくれる人材を求めていることがわかります。
しかも出戻り社員は他社を見ることで視野が広がり、出戻りした企業のよさを改めて認識しています。この結果として「戻ってきたくなるほどよい企業である」と周囲に伝えられるのも、企業にとってプラスになります。
近年は人口減少による人材不足も問題になっており、メリットが多い出戻り社員に対する企業の期待は大きくなっています。「ジョブリターン」や「キャリアリターン」などの名称で、一度退職した社員の再雇用制度を整える大手企業も増加中。ネット広告を手掛けるファンコミュニケーションズは、「出戻りさんいらっしゃい!」と銘打った再入社社員インタビューを自社サイトに掲載して、出戻り社員を歓迎する社風をアピールしています。
このほかにも、退職前にしっかりした実績をあげられたか、転職先でも実績を残して自分の市場価値を高められたかなど、出戻りには越えなければならないハードルが存在します。仕事に対する意識の高さは、どこに行っても忘れないようにしましょう。
出戻りを果たしやすくするためには、退職後も元上司や元同僚と連絡を取り合って関係を保つことが効果的です。SNSを活用してつながり続けるのもよいでしょう。こまめに連絡を取っていれば、戻りたいときにすぐ相談できます。元上司から復帰を打診されることも珍しくありません。
思い切って転職しても、うまくいかないことはよくあります。出戻りはそんなときの心強い保険になるでしょう。その道を自分から閉ざしてしまわないためにも、現在の職場とは円満な関係を保つ心構えが大切です。
しかし、バブル崩壊後の長引く不況下にある近年、多くの企業が大前提を保持できなくなり、退職した社員への対応にも変化が出てきています。この新しい流れを象徴するのが「出戻り社員」の急増です。
企業の期待が高まっている「出戻り社員」
出戻り社員とは、一度退職した企業に再雇用された社員のこと。アメリカでは、投げて戻ってくる様子になぞらえて「ブーメラン社員」と呼ばれます。もともと人材の流動性が高いアメリカでは珍しくない存在でしたが、日本でも制度を整えて積極的に募集する企業が増えているのです。出戻り社員を求める企業は、どのような点に魅力を感じているのでしょうか。
出戻り社員を再雇用するのは、教育する時間やコストが減るため!?
求人情報や人材紹介のサービスを手掛けるエンジャパンの調査によると、一度退職した社員を再雇用したことがある企業は全体の67%。すでに過半数の企業が出戻り社員を迎えています。最大のメリットは即戦力になること。即戦力といえば中途採用社員も優れたスキルを身につけていることが多いですが、出戻り社員はスキルだけでなくその企業のシステムややり方にも通じているので、教育する時間やコストが大幅に抑えられます。
出戻り社員の年齢と性別では、30代の男性が46%と最も多く、次いで40代の男性が36%。女性では30代の割合が15%と最も多く、中心はバリバリ働ける年代です。この点からも、企業はすぐに活躍してくれる人材を求めていることがわかります。
「戻ってきたくなるほどよい企業である」と伝えられる
また、出戻り社員は人となりがわかっているのもメリットです。ほとんどの企業は採用時に面接を行いますが、やはり短時間で把握できる性格や考え方には限界があります。これに対して出戻り社員はすでに一度採用されて働いており、どんな人物かわかっているので安心なのです。しかも出戻り社員は他社を見ることで視野が広がり、出戻りした企業のよさを改めて認識しています。この結果として「戻ってきたくなるほどよい企業である」と周囲に伝えられるのも、企業にとってプラスになります。
近年は人口減少による人材不足も問題になっており、メリットが多い出戻り社員に対する企業の期待は大きくなっています。「ジョブリターン」や「キャリアリターン」などの名称で、一度退職した社員の再雇用制度を整える大手企業も増加中。ネット広告を手掛けるファンコミュニケーションズは、「出戻りさんいらっしゃい!」と銘打った再入社社員インタビューを自社サイトに掲載して、出戻り社員を歓迎する社風をアピールしています。
誰でも出戻りできるわけではない
企業にとってメリットが多い出戻り社員ですが、もちろん誰でも受け入れられるわけではありません。企業と喧嘩別れしたり、競合他社への転職を隠したりといった印象の悪い退職をした場合は出戻りがかなり難しくなります。このほかにも、退職前にしっかりした実績をあげられたか、転職先でも実績を残して自分の市場価値を高められたかなど、出戻りには越えなければならないハードルが存在します。仕事に対する意識の高さは、どこに行っても忘れないようにしましょう。
出戻りを果たしやすくするためには、退職後も元上司や元同僚と連絡を取り合って関係を保つことが効果的です。SNSを活用してつながり続けるのもよいでしょう。こまめに連絡を取っていれば、戻りたいときにすぐ相談できます。元上司から復帰を打診されることも珍しくありません。
思い切って転職しても、うまくいかないことはよくあります。出戻りはそんなときの心強い保険になるでしょう。その道を自分から閉ざしてしまわないためにも、現在の職場とは円満な関係を保つ心構えが大切です。
<参考サイト>
・出戻り社員(再雇用)について エンジャパン
http://partners.en-japan.com/enquetereport/108/
・出戻りさんいらっしゃい ファンコミュニケーションズ企業サイト
https://www.fancs.com/saiyou/demodori
・出戻り社員(再雇用)について エンジャパン
http://partners.en-japan.com/enquetereport/108/
・出戻りさんいらっしゃい ファンコミュニケーションズ企業サイト
https://www.fancs.com/saiyou/demodori
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
アメリカは一体どうなってしまったのか。今後どうなるのか。重要な同盟国として緊密な関係を結んできた日本にとって、避けては通れない問題である。このシリーズ講義では、ほぼ1世紀にわたるアメリカ近現代史の中で大きな結節点...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/10
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
岡本浩氏、長谷川敏彦氏の話を受けて、今回から鎌田氏による講義となる。まず指摘するのは、空海が説く『弁顕密二教論』の考え方である。この著書で空海は、仏教の顕教は「中論」「唯識論」「空観」など世界を分割して見ていく...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/20
島田晴雄先生の体験談から浮かびあがるアメリカと日本
編集部ラジオ2025(28)内側から見た日米社会の実状とは
ある国について、あるいはその社会についての詳細な実状は、なかなか外側からではわからないところがあります。やはり、その国についてよくよく知るためには、そこに住んでみるのがいちばんでしょう。さらにいえば、たんに住む...
収録日:2025/10/17
追加日:2025/11/20
知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方
人間がこの世界を生きていく上で、バイアスは避けられない。しかし、そこに居直って自分を過大評価してしまうと、それは傲慢になる。よって、どんな仕事においてももっとも大切なことは「謙虚さ」だと言う今井氏。ただそれは、...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/16
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
組織のまとめ役として、どのように接すれば部下やメンバーの成長をサポートできるか。多くの人が直面するその課題に対して、「経験学習」に着目したアプローチが有効だと松尾氏はいう。では経験学習とは何か。個人、そして集団...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/10


