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年収と読書の関係…お金持ちに読書家が多い理由
急速に読書ばなれが進んでいます。インターネット、スマホの普及が大きく影響しているようです。読書は手間がかかりますし、お金もかかります。スマホさえあれば、本なんていらないという方も多いはず。
そんなみなさんも年収と読書量が関係していると聞いたらいかがでしょう。世間の大富豪たち、ホリエモンもビル・ゲイツもザッカーバーグもみんな読書家として有名です。実際にどのくらい読書と年収は関係しているのか検証していきます。
また、文化庁の調査では65.1パーセントが「読書量は減っている」と回答しており、その理由については、「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」が最も多く51.3パーセント、「視力などの健康上の理由」が34.4パーセント、「情報機器(携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等)に時間が取られる」が26.3パーセントとなっています。
やはりインターネット、スマホの普及が大きく影響しているのです。
1カ月に最低3冊以上本を読むのは、世帯年収が「1500万以上」の人が最も多く 40.5%である一方、最も少ないのは「300~500万未満」の人で22.6%。また、読書しないと回答した人が一番少ないのは、世帯年収が「1500 万以上」の人で9.5%、一番多かったのは「300~500 万未満」で 28.8%とのこと。
この調査結果だけから断言することはできませんが、たしかに「世帯年収が高いほど読書量は多い」という傾向はあるようです。
つまり、読書は、本から情報をインプットするだけでなく、むしろ自分の中からアウトプットする力が試されるということでしょう。
酒井教授はさらに次のように述べています。「読書と言っても、そういう言葉だけでは実はなくて、視覚的に映像を頭の中に想起するとか、過去の自分の体験と照らし合わせて対比して考えるとか、自分で得られた情報から更に自分で自分の考えを構築するというプロセスがはいってくるので、人間の持っている創造的な能力がフルにいかされることになります」。ここでは「自分で自分の考えを構築するというプロセス」に力点を置いて読書の効用を説明しています。
インターネットは超高速で便利ではありますが、ひたすら検索とインプットの連続で、「自分で自分の考えを構築するというプロセス」が欠けています。
なんとなく読書と年収の関係が見えてきました。では、読書を通して思考力、論理力、表現力を高めるためにはどうすればいいのか。
「読む」と「書く」の両方が合わさって「読書」です。「読む」だけで終えずに「書く」、さらにそれについて「話す」も加えれば、読書力、思考力、論理力、表現力を同時に高めることができるはずです。
テレビ朝日「アメトーーク!」の読書芸人のように本を紹介するのもいいでしょう。ともかく大事なのは読書のアウトプットに着目することです。
そんなみなさんも年収と読書量が関係していると聞いたらいかがでしょう。世間の大富豪たち、ホリエモンもビル・ゲイツもザッカーバーグもみんな読書家として有名です。実際にどのくらい読書と年収は関係しているのか検証していきます。
急速に進行する読書ばなれの実態
そもそも、そんなに読書ばなれは深刻なのか。出版文化産業振興財団の2010年の「現代人の読書実態調査」によると、1冊も読まないと答えた人は23.7パーセントでした。それが文化庁の2014年の調査では47パーセント。これはたしかに深刻です。時の経過とともに、明らかに読書ばなれが進行していることがわかります。また、文化庁の調査では65.1パーセントが「読書量は減っている」と回答しており、その理由については、「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」が最も多く51.3パーセント、「視力などの健康上の理由」が34.4パーセント、「情報機器(携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等)に時間が取られる」が26.3パーセントとなっています。
やはりインターネット、スマホの普及が大きく影響しているのです。
世帯年収が高いほど読書量は多い
出版文化産業振興財団の調査では、「世帯年収が高いほど読書量は多い傾向」という結果を明らかにしています。1カ月に最低3冊以上本を読むのは、世帯年収が「1500万以上」の人が最も多く 40.5%である一方、最も少ないのは「300~500万未満」の人で22.6%。また、読書しないと回答した人が一番少ないのは、世帯年収が「1500 万以上」の人で9.5%、一番多かったのは「300~500 万未満」で 28.8%とのこと。
この調査結果だけから断言することはできませんが、たしかに「世帯年収が高いほど読書量は多い」という傾向はあるようです。
読書の効用はアウトプットにある
NHK「クローズアップ現代+」では、読書の効用を取材しています。読書が脳に与える影響を研究する東京大学大学院の酒井邦嘉教授は「本を読むという行為は決して情報を得たいというためにやるわけではなくて、むしろ『自分の中からどの位引き出せるか』という営みなのです」と述べています。つまり、読書は、本から情報をインプットするだけでなく、むしろ自分の中からアウトプットする力が試されるということでしょう。
酒井教授はさらに次のように述べています。「読書と言っても、そういう言葉だけでは実はなくて、視覚的に映像を頭の中に想起するとか、過去の自分の体験と照らし合わせて対比して考えるとか、自分で得られた情報から更に自分で自分の考えを構築するというプロセスがはいってくるので、人間の持っている創造的な能力がフルにいかされることになります」。ここでは「自分で自分の考えを構築するというプロセス」に力点を置いて読書の効用を説明しています。
インターネットに欠けているもの
たしかに年収の高い人、仕事のできる人はインプットもさることながらアウトプットの力に優れ、独自の表現力をもっています。インターネットは超高速で便利ではありますが、ひたすら検索とインプットの連続で、「自分で自分の考えを構築するというプロセス」が欠けています。
なんとなく読書と年収の関係が見えてきました。では、読書を通して思考力、論理力、表現力を高めるためにはどうすればいいのか。
「読む」「書く」「話す」の三拍子
知の巨人、日本一の読書家とも噂される立花隆氏は、「クローズアップ現代+」の取材に対して、「読むだけじゃなくて、その次のステージとして、アウトプット」、「知的な内容のものを深めるだけじゃなくて、その全体をまとめるためには、やっぱり書くっていうことが必要なんですね」と述べています。「読む」と「書く」の両方が合わさって「読書」です。「読む」だけで終えずに「書く」、さらにそれについて「話す」も加えれば、読書力、思考力、論理力、表現力を同時に高めることができるはずです。
テレビ朝日「アメトーーク!」の読書芸人のように本を紹介するのもいいでしょう。ともかく大事なのは読書のアウトプットに着目することです。
<参考サイト>
・出版文化産業振興財団:2010 年『国民読書年』に向けて 現代人の読書実態を調査 『現代人の読書実態調査』
http://www.jpic.or.jp/press/docs/2009JPIC_research_R.pdf
・文化庁:平成25年度「国語に関する世論調査」の結果の概要
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/h25_chosa_kekka.pdf
・NHKクローズアップ現代+:広がる“読書ゼロ”^日本人に何が~ http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3592/1.html
・出版文化産業振興財団:2010 年『国民読書年』に向けて 現代人の読書実態を調査 『現代人の読書実態調査』
http://www.jpic.or.jp/press/docs/2009JPIC_research_R.pdf
・文化庁:平成25年度「国語に関する世論調査」の結果の概要
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/h25_chosa_kekka.pdf
・NHKクローズアップ現代+:広がる“読書ゼロ”^日本人に何が~ http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3592/1.html
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