社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2018.05.16

太りやすい人の食事の特徴とは?

 太りやすい人の食事にはなにか共通する特徴があるようです。単に、たくさん食べるから太るわけではありません。痩せの大食いもいれば、少食でも太っている人はけっこういます。

 それなら肥満と食事が関係ないのかといえば、やはりそんなことはありません。どんな共通点があるのか、考えてみましょう。

早食いは肥満になるか

 よく言われるのが早食いです。早食いになってしまう人は、一度に口に入れる量が多く、よく噛まずに飲み込んでいるということです。

 よく噛まないで飲み込むと満腹感がなかなか得られず、結果として食べる量が増えることになります。

 また、早食いすると、消化・吸収も速くなり、血糖値が急激に上昇します。それにともなって、インスリンも上昇。インスリンは太らせるホルモンとも言われていて、これが肥満につながります。

肥満を引き起こす負のスパイラル

 日本生活習慣予防協会が公表している記事によると「食べる速さがゆっくりであるほど、肥満の割合は減少する」のだそうです。

 早食いの人は「就寝の2時間前以降に夕食を摂っている割合も高く、食事が不健康になりがち」とのこと。就寝と食事時間が近いと朝食を抜くようになります。

 食生活が不規則な人は、生活そのものが乱れている場合も少なくないのでは。たとえば、夜更かしして夜食、運動不足でストレス発散食いをしてしまうとか。ストレスが溜まって、食べたくなるものといえば、甘いもの。

 はじめはちょっとしたクセから始まって、それが習慣となり、しまいには負の習慣がつぎつぎと連鎖していくことで肥満は引き起こされるのかもしれません。

「たくさん噛む」がはじめの一歩

 どうすれば、肥満スパイラルに引き込まれずにすみ、どうやったら抜け出せるのでしょうか。

 前述の通り、ちょっとしたキッカケから肥満は始まります。ここに肥満防止策のヒントがあります。つまり、悪いクセを自覚して、直すことができるかどうか。とてもシンプルです。

 ただし、クセを直すというのは、口で言うほど簡単なことではありません。もともと早食いの人が、「たくさん噛む」ことを習慣化するのだって容易ではないでしょう。

 でも、まずはこのはじめの一歩を実践してみてください。たくさん噛んでゆっくり食事することを実践することが負の連鎖を断ち切り、正の連鎖を生み出していくはずです。たくさん噛んで、ゆっくり食べて、朝食もしっかりとって、というふうに。

 ただし、あまりストイックになりすぎるのは禁物です。そうするとなかなか続きません。できる範囲で、実践していくのが長続きのコツです。

<参考サイト>
・日本生活習慣予防協会:早食いほど肥満は増える 肥満予防に「ゆっくり食べる」と効果的
http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2018/009553.php
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり

『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり

葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道

役者絵からキャリアを始め、西洋の画法を取り入れながら読本の挿絵を大ヒットさせた葛飾北斎。その後、北斎が描いていった『北斎漫画』や浮世絵などの数々は、海外に衝撃を与えてファンを広げるほどのものになっていく。60代は...
収録日:2025/10/29
追加日:2025/12/06
堀口茉純
歴史作家 江戸風俗研究家
2

なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために

なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために

エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如

現代社会にとって空海の思想がいかに重要か。AIが仕事の仕組みを変え、超高齢社会が医療の仕組みを変え、高度化する情報・通信ネットワークが生活の仕組みを変えたが、それらによって急激な変化を遂げた現代社会に将来不安が増...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/12
3

ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害

ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害

内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害

高度成長のために頑張った日本は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の評価を得たが、その後の日本企業の凋落、競争力の低下を考えると、その弊害を感じずにはおられない。読書人口が減っている現状をみると、いつのまにか「世界...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/12/01
4

日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは

日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは

歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本

「歴史を探索していく」とは、どういうことなのだろうか。また、「歴史を活かしていく」とはどういうことなのだろうか。歴史作家の中村彰彦氏に、歴史を探り、活かしていく方法論を、具体的に教えてもらう本講義。第一話は、歴...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/14
5

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち

たかが「1」、されど「1」――今、数の意味が理解できない子どもがたくさんいるという。そもそも私たちは、「1」という概念を、いつ、どのように理解していったのか。あらためて考え出すと不思議な、言葉という抽象概念の習得プロ...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/06
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授