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DATE/ 2016.05.15

文系でも高収入!製薬会社の「MR」の驚くべき年収

 文系は理系より平均年収が低いという調査の結果に、口惜しい思いをかみしめた方もいるでしょう。でも、無理に理転を目指すほどのことはありません。

 ちなみに、東洋経済が毎年発表する「平均年収が高いトップ300社ランキング」では、1位から37位までが平均年収1000万円超の企業です。商社やマスコミ、金融系が並ぶなかで、文系出身は不要という企業はあるのかというと、まったくありません。文系就活生に人気があるのは、総合商社(男子)、金融(女子)、旅行(男女)のようですが、メーカーやIT系にも管理・事務系の職種は必ず必要だからです。

 今回は、なかでも誤解の多そうな製薬会社のMR (医薬情報担当者)について調べてみました。

MRになれるのは薬学部出身者だけ?

 MRの大半は製薬企業の営業部門に属しています。自社の医療用医薬品を中心とした医薬情報を医師や薬剤師などの医療関係者に提供するだけでなく、医療現場から医薬品の効き目などの有効性情報、安全性情報を収集して自社に持ち帰り、対応策の窓口となることもあります。

 「売らんかな」の営業だけでなく、医薬品の信頼性を高めるための医薬品エキスパート。それだけに薬学部出身者でなければなれないのでは?と思う人も多いようですが、現在活躍中のMRの半数以上が文系学部の出身です。

 2014年度のデータでは、薬剤師11.9パーセント、理科系28.3パーセント、文科系57.4パーセントで、文系学部出身者はねんねんここ数年微増を続けているのです(公益財団MR認定センター調べ「2015MR白書」)。

 ほとんどの製薬企業では、入社後に半年程度の研修期間を設け、医薬品についての知識を徹底的に学ばせ、「MR認定証」の取得を義務づけています。勉強はハードですが、先に資格ありきではないところが魅力ですね。

大手製薬会社のMRは年収1000万円超

 お待たせしました。気になるMRの年収です。営業手当や外勤手当、また売上実績に応じたインセンティブのつく会社もあることなどから、MRは一般的なサラリーマンより給料の高い職種。国内大手製薬企業の場合、大塚ホールディングス1080万円(44.3歳)を筆頭に、エーザイ1040万円(43.7歳)、第一三共1036万円(42.3歳)、アステラス製薬1035万円(41.7歳)と1000万円超の数字が並びます(職業情報サイト「Career Garden」調べ)。

 より良い待遇を求める転職組が多いのも、MRの特長。最近では、派遣と同様CSO企業に所属して各社のMR活動をおこなうコントラクトMRも増えてきました。年収は経験度や専門領域、またCSO企業によって異なりますが、トータル年収は中堅製薬会社程度が平均のようです。

コントラクトMRは、女性活躍のひのき舞台?

 日本国内でMRとして働く人の総数は、2015年3月末で64657人(2015MR白書)。うち3885人がコントラクトMRです。製薬会社のアウトソーシングであるため、複数メーカーの現場で幅広い業務経験を積むことができる、勤務地や配偶先を選びやすい、CSOの正社員として安定した雇用が確保できる(契約社員雇用もあり)などが、メリットとして数えられています。とくに結婚や出産によってキャリアを中断せざるを得ない女性にとっては、両立のための新しい選択肢に数えられるでしょう。

 文系でも高収入を得られるのは、もちろんMRだけではありません。国会議員(推定平均年収2896万円、年収ラボより)になれば、内閣総理大臣(推定平均年収5141万円、年収ラボより)の道もひらかれているのです。

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