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DATE/ 2016.08.20

「働きがいのある会社」ってどんな会社?

 ビジネス雑誌でたびたび特集される「働きがいのある会社」。それはどんな会社で、逆に「働きがいのない会社」とはどんな会社なのでしょう?

 これだけの年俸があるのであれば、ちょっと鬱になりそうな人間関係にも耐えられそうなどと思うことはできても、実際には難しいのではないでしょうか。

 仕事にはチャレンジがあり、それなりの負荷がかかります。時にはストレスを感じ、逃げ出したくなることもあるでしょう。会社であるからには、ひとりではなく、仲間がいて組織で取り組むことになります。そこでの信頼関係と連帯感があってこそ、乗り越える辛さを喜びに変えることができるのです。

「働きがい」がある会社とは?

 一生ひとつの会社で過ごすことは、この変動の大きい現実のなかでは難しいのではないにせよ、この会社で「働いてみたいと思わせる要件」と経験的に分かってくる「働きがい」を合わせて考えておくのは、人生を幸せに過ごすために不可欠な方法になりそうです。

 一般的な「働きがい」がある環境を調べると、

・仕事に達成感を感じて、活き活きと働ける
・人として成長する機会が与えられ、そのことを喜びと感じられる
・連帯感を持ち、お互いに協力する雰囲気が強い
・経営陣が信頼されており、組織へのコミットメントが高い
・自分の仕事にプライドを持って働いている
・将来に対して希望を持って働いている
・多様な人材が登用され、そこから活気が生まれている

 というような指標が得られます。

 ここから、どんなことが読み取ることができそうでしょうか。

 キーワードとしては、「信用」「尊敬」「公正」「誇り」「連帯」「成長」「喜び」、こんな言葉が抽出できそうです。ここに「お金」や「出世」を見出すことはできません。

 逆に、「働きがいがない」とは、「信用」「尊敬」「公正」「誇り」「連帯」「成長」「喜び」が感じられない会社ということができそうです。あなたの職場はどうでしょうか?

重要なのは「貢献=感謝=喜び」

 基本に立ち返ってみるならば、これらは「受け身」では得られない指標になります。自らの姿勢として、「何かを得るために何かをする」ではなく、「与えれば与えるほど、与えられる」という社会の原理、「貢献=感謝=喜び=貢献」というサイクルにおいてはじめて、プライスレスな「働きがい」が得られるといってもよいでしょう。

 「働きがい」には当然、お金やステイタスといった評価があることは否めません。そうした、報酬や出世はあくまでも二次的な結果であり、重要なのは「貢献=感謝=喜び」という仕事のベースサイクルにあることを忘れないようにしたいものです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授