テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2018.04.18

30代の平均年収、年齢×15万円が相場って本当?

 「20歳で20万、30歳で30万、40歳で40万」年齢×1万円の月収がないと、年相応とは言えないという話があります。さて、実際にはどうなのでしょうか。現実的な数字と、ライフスタイルの両面について、調べてみました。まずは30代編です。

「月収=年齢×1万円」「年収=年齢×15万円」は妥当な数字か?

 もし俗説の「月収=年齢×1万円が妥当な数字」が相場だとしたら、30代の年収は360万円~468万円となるはずです。安定した職場ではボーナスも年2回支給されるので、「年収=年齢×15万円」説もあります。こちらを採用すると、30代の年収は約450万円~585万円となります。

 現実の数字を見てみましょう。国税庁「民間給与実態統計調査」によると、平成28年の30代前半(30歳~34歳)の平均年収は約403万円、30代後半(35歳~39歳)は約433万円でした。

<30代の平均年収(平成28年)※約を省略>
男性:30~34歳/457万円、35~39歳/512万円
女性:30~34歳/315万円、35~39歳/300万円
全体:30~34歳/403万円、35~39歳/433万円

 全体を見ると「月収=年齢×1万円」、男性だけを見ると「年収=年齢×15万円」に近い数字となっていることが分かります。実感できていますか。

体感年収は、平均値より中央値?

 統計数字には、必ず「平均値」マジックが含まれます。割合は少なくても年収1000万円以上の層がいれば、平均値はアップするからです。

 実際体感値としては、統計的な分散をみた中央値を参照するのがよいとされています。年収の中央値は、平均値より少なくなる傾向があります。

 転職サイトDODAの調査結果(2016年9月~2017年8月)を参照してみましょう。

≪30歳代の年収分布≫
 300万円未満: 13.9%
 300万円~400万円: 26.2%
 400万円~500万円: 24.6%
 500万円~600万円: 16.1%
 600万円~700万円: 9.4%
 700万円~800万円: 4.7%
 800万円~900万円: 2.4%
 900万円~1000万円: 1.1%
 1000万円以上: 1.6%

 30代の平均年収が455万に対して、年収分布をみると、300万円~400万円が最大のボリュームゾーンになっています。

「年齢相応」にもらっているかが、結婚の決め手?

 30代になると、そろそろ周りからも「婚活」が奨励されたりします。現在はバブル全盛期のような「3高」にかわり、女性が男性に求めるのは「収入が安定していること」といわれます。では、年収は安定していれば高くなくてもよいのでしょうか。

 女性が結婚相手の男性に希望する年収額ですが、全国14ヵ所に結婚式場を展開するアニヴェルセルによるアンケート調査の結果を参照してみましょう。

1位:500万以上/36.2%
2位:300万以上/30.0%
3位:収入は関係ない/15.1%
4位:700万以上/13.1%
5位:1,000万以上/4.3%
6位:1,500万以上/1.3%

 ほぼほぼ、30代の年収ゾーンで希望年収がクリアすることから、結婚するには20代以上に30代は適齢期となっているようです。

※2018年4月更新

<参考サイト>
・国税庁ホームページ(「民間給与実態統計調査」より)
https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2014/pdf/10.pdf
・DODA:平均年収ランキング2017
https://doda.jp/guide/heikin/age/
・アニヴェルセル:結婚相手に求める年収、男性と女性ではこんなに違う!
http://www.anniversaire.co.jp/brand/pr/soken1/report19.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く

学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く

編集部ラジオ2025(24)「理解する」とはどういうこと?

今井むつみ先生が2024年秋に発刊された岩波新書『学力喪失――認知科学による回復への道筋』は、とても話題になった一冊です。今回、テンミニッツ・アカデミーでは、本書の内容について著者の今井先生にわかりやすくお話しいただ...
収録日:2025/09/29
追加日:2025/10/16
2

中国でクーデターは起こるのか?その可能性と時期を問う

中国でクーデターは起こるのか?その可能性と時期を問う

クーデターの条件~台湾を事例に考える(6)クーデターは「ラストリゾート」か

近年、アフリカで起こったクーデターは、イスラム過激派の台頭だけではその要因を説明できない。ではクーデターはなぜ起こるのか。また、台湾よりも中国のほうがクーデターが起こる可能性はないのか。クーデターは本当に「ラス...
収録日:2025/07/23
追加日:2025/10/18
上杉勇司
早稲田大学国際教養学部・国際コミュニケーション研究科教授 沖縄平和協力センター副理事長
3

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち

たかが「1」、されど「1」――今、数の意味が理解できない子どもがたくさんいるという。そもそも私たちは、「1」という概念を、いつ、どのように理解していったのか。あらためて考え出すと不思議な、言葉という抽象概念の習得プロ...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/06
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
4

ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生

ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生

ショパンの音楽とポーランド(1)ショパンの生涯

ピアニスト江崎昌子氏が、ピアノ演奏を交えつつ「ショパンの音楽とポーランド」を紹介する連続シリーズ。第1話では、すべてのピアニストにとって「特別な作曲家」と言われる39年のショパンの生涯を駆け足で紹介する。1810年に生...
収録日:2022/10/13
追加日:2023/03/16
江崎昌子
洗足学園音楽大学・大学院教授 日本ショパン協会理事
5

不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?

不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?

習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実

改革開放当時の中国には技術も資本もなく、工場を建てる土地があるだけだった。経済成長とともに市民が不動産を複数所有する時代となり、地価は高騰し続けた。だが、習近平政権による総量規制は不動産価格を低下させ、消費低迷...
収録日:2025/07/01
追加日:2025/10/16
垂秀夫
元日本国駐中華人民共和国特命全権大使