優れた経営者の条件
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
多様性マネジメントと経営人材不足というグローバル化の壁
優れた経営者の条件(3)多様性と経営人材の不足
楠木建(一橋大学大学院 経営管理研究科 国際企業戦略専攻 特任教授)
グローバル化の壁は英語以外にも存在する。多様性のマネジメントと経営人材の不足である。社内にすでに存在するはずの多様性をいかに活用して、経営に統合していけばいいのか。一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の楠木建氏が、経営におけるダイバーシティの意義について解説する。(2017年11月16日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「優れた経営者の条件:戦略ストーリーを創るセンス」より、全8話中第3話)
時間:8分28秒
収録日:2017年11月16日
追加日:2018年1月27日
≪全文≫

●日本は人為的に多様性を高めていくしかない


 第2の壁は、多様性のマネジメントです。グローバル化していく中で今、ダイバーシティが欠如しているとよく言われます。確かに、日本はその通りでしょう。ただしその際、どこと比べて多様性がないと言われているのかを考えなければいけません。一つにはヨーロッパです。考えてみると、ヨーロッパは狭い所に国が地続きになっていて、文化や言語の違う人たちが昔からずっと暮らしてきて、絶えず戦争を繰り返してきた場所です。したがって、多様性の問題は天然のものです。朝起きれば呼吸をするように、多様性問題を肌で感じてきた人たちです。だとすれば、ダイバーシティがうまくなって当然でしょう。他方、日本はアメリカとも比較されます。アメリカは人工国家です。国ができた瞬間にデフォルトが多様性です。当然、国内に多様性問題が深く組み込まれているわけです。

 ヨーロッパやアメリカに比べて、日本は全然状況が違います。地理的にも歴史的にも文化的にも社会的にも、多様性があまりない国です。それをとやかく言うのは、私に言わせれば、地震のない国の耐震設計のようなものです。地震がなかったのだから、耐震設計ができていなくて当たり前でしょう。したがって、日本では人為的に多様性を高めていくしかありません。

 ただし、ダイバーシティを強調する人の中には、結構うさんくさい人も多いのではないかと私は疑っています。

 もちろん私の偏見ですが、そういう人たちは多様性それ自体が目的になっている節があります。少なくともビジネスでは、多様性の先にある成果に向けて多様な人たちを統合していくということが、経営の腕の見せどころです。単純にどう統合するのかという話になると、やたらとアメリカンスタンダードみたいなものが出てきます。確かにそれはよく分かります。あれだけの強国で、英語が母国語で、100年近くにわたって資本主義をリードしてきた国です。当然彼らは、宣教師的な行動を取ります。日本が逆の立場になったと考えても分かりますが、自分たちが一番だと思うのは当然です。ただし、あくまでも統合が経営の質なのであって、多様性自体は第一の目的ではありません。


●一人一人が好き嫌いを表明し、それを経営として活用するべきだ


 ある組織が組織として必要である理由は、そこにいる...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
便利を求めるだけのいいの?…「不便益」で発見できる新たな魅力
川上浩司
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤

人気の講義ランキングTOP10
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
編集部ラジオ2026(31)鶴見太郎先生の「公開収録」のご案内
【公開収録のご案内】鶴見太郎先生:ユダヤ人と世界史…その歴史の教訓とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
ギリシア神話の基本を知る(2) 5つの時代と歴史観
ヘシオドスの『労働と日々』で描かれた「5つの時代」とは
鎌田東二
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(6)漢字と理性と想像力
漢字と理性と想像力…いま日本人が考えるべきこととは?
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉