優れた経営者の条件
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
中古車販売のガリバー創業者・羽鳥兼市の経営センス
優れた経営者の条件(6)業界内の矛盾を直視せよ
楠木建(一橋大学大学院 経営管理研究科 国際企業戦略専攻 特任教授)
IDOM(ガリバー)は中古車業界にどんな革新をもたらしたのか。業界内で誰もが見て見ぬふりをしてきた矛盾を直視することで、優れた戦略を作り出すことができるのだと、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の楠木建氏は語る。(2017年11月16日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「優れた経営者の条件」より、全8話中第6話)
時間:7分55秒
収録日:2017年11月16日
追加日:2018年1月27日
≪全文≫

●中古車販売では2~3カ月しか在庫を持てない


 見て見ぬふりをしている矛盾を直視するということも、優れた戦略が出てくるための条件として共通しているプロセスです。これが6つ目の条件になります。

 中古車業界では、IDOMという社名になりましたが、ガリバーという会社があります。

 スライドのような展示場で中古車が売られています。コンシューマーから車を買い、それを並べて売ります。売れた時にマージンを獲得するという、一見単純な商売です。ただし、どんな商売にも難しいところがあるわけで、大体2、3カ月しか在庫を持てません。というのも、中古車は生ものですから価値がどんどん下落していくのです。3カ月ぐらい置いておけば、不良在庫になってしまいます。

 ところがさらに難しいのは、車は趣味嗜好のものですからマッチングが非常に困難なのです。モデルだけでも500モデルあり、色や走行距離、オプションも違います。ですから、必然的に展示場には100台以上あったほうがいいでしょうし、非常に大きな展示場でなければ、なかなかマッチングができません。腕の良い人が販売しても、並べた車の3割でも売れれば御の字らしいのです。つまり、売れると思って仕入れたものが売れず、その割合は7割にもなります。しかも在庫にしておけば、どんどん価値が下落していきます。


●中古車祭りといっていつもキャンペーンをしている


 どうすればよいでしょうか。BtoBのオークション、中古車業者間のオークションがあります。ここでキャッシュに変えて、損切りをするようになっているのです。自分の所で全部を並べても、あまり買い取れませんから、BtoBのオークションからも引っ張ってくるのです。中古車業界は、このように動いています。BtoBとBtoCがお互いの問題を補完しているのです。

 では、こうした商売をしている人は何を考えるでしょうか。当然ながら、中古車を並べる以上、それを売ることが一番大切です。売る力が必要です。皆、非常に売りたいのです。そのため、少し田舎に行けば、 「中古車祭り」といっていつもキャンペーンをしているのです。この業界を調べている時に、私はいろんな中古車屋さんと話しました。そこで聞いてみたのです。「冬の中古車祭りというけれど、少し前は秋の中古車祭りをやっていて、その前は夏の中古車祭り、春の中古車祭り...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正

人気の講義ランキングTOP10
哲学から考える日本の課題~正しさとは何か(1)言葉の正しさとは
「正しい言葉とは何か」とは、古来議論されているテーマ
中島隆博
編集部ラジオ2026(2)「時代の大転換期の選挙」特集を解説!
「大転換期の選挙」の前に見ておきたい名講義を一挙紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代と人間の再定義(5)AI親友論と「WE」という概念の問題
AI親友論って何?「Self-as-WE」と京都学派の思想
中島隆博
これからの社会・経済の構造変化(4)日本企業の課題と組織改革の壁
日本の場合、トップダウンよりボトムアップで変えるべき?
柳川範之
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
いま夏目漱石の前期三部作を読む(9)反知性主義の時代を生き抜くために
なぜ『門』なのか?反知性主義の時代を生き抜くヒント
與那覇潤
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(5)共存・共生のための理性
共生への道…ジョン・ロールズが説く「合理性と道理性」
齋藤純一
会計検査から見えてくる日本政治の実態(3)戦後初となる補正予算の検査
繰越金が4割も…戦後初「補正予算の会計検査」の実態
田中弥生