立命館大学食マネジメント学部シリーズ
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
外国人への飲食サービス…食文化の違いにどう対応する?
飲食サービスと異文化対応
阿良田麻里子(立命館大学食マネジメント学部 教授/立命館大学食総合研究センター センター長)
近年、宗教的禁忌に対応した特別食が注目を集めているが、立命館大学食マネジメント学部教授の阿良田麻里子氏によれば、食の異文化対応にあたっては、宗教的禁忌だけでなく食べ物に対する認識や嗜好など多様な要素を視野に入れつつ、食べる人自身が自ら食べたいものを選ぶことができる環境を整える必要があるという。インドネシアの食文化を事例に、飲食サービスにおける異文化対応について解説する。
時間:16分58秒
収録日:2018年4月27日
追加日:2018年9月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●食をめぐる文化の違いは宗教的禁忌だけではない


 本日は、飲食サービスと異文化対応というテーマでお話しします。私は、インドネシアの食文化を、文化人類学的な観点から研究しています。そして最近では、食のハラール、つまり、イスラム教徒の方々の食に関する研究をしています。その関係で近年では、訪日外国人観光客の対応をする、インバウンドビジネス関係者の方々からアドバイスを求められることが増えています。

 ムスリム対応ということに関して話しますと、やはりハラールということ、そして礼拝対応ということが、非常に重要になっていきます。しかしここでは、それだけでいいのか、ということを考えていきたいと思います

 まず、同じ宗教の信徒の間でも、禁忌に対する態度は非常にバラエティに富んでいます。例えばムスリムの中でも、最近話題になっているハラール認証を非常に重要視して、「ハラール認証のあるものをなるべく食べたい」という方もいます。他方で、そういうのはあまり気にしないで、「とにかく豚でなければ食べます」という方もいます。

 それから、禁忌に対する同じような態度を持っていたとしても、食嗜好が違うということもあります。もちろん私たちには好き嫌いがあります。それだけではなく、地域ごとに、一般的に辛いものが好きな地域もあれば、逆に辛いものが全く食べられない方が多い地域もあります。あるいは、お米が主食の方もいれば、どうしてもパンが食べたい、小麦粉のパンがないと食事として満足できないという方もいます。こういった食に対する認識が、文化によって大きく異なっています。

 また最近、ムスリム対応について非常に注目が集まっていますが、それだけではありません。世界にはいろいろな食の禁忌を持っている方がいます。食の禁忌をもつ宗教だけでも、ユダヤ教、ヒンドゥー教、仏教などがありますし、また、宗教的あるいは信条的にベジタリアンになっている方もいます。ベジタリアンの中にも、卵が食べられる方もいれば、ミルクと野菜と穀物などしか食べないという方、魚まで食べられる方など、いろいろな方がいます。それから、アレルギーを持っている方もいます。

 こういった方々全員に対応する必要がありますから、一つの特別食で片付けるということは無理なのです。ですから、積極的な情報開示、つまり「これはどんな食べ物なのか」「どんな食材が...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
科学的思考はなぜ大切か(1)「状態図」という概念
科学的思考とは「なぜ?」を追究していくこと
岡部徹
発酵はマジックだ!
色を消し、脂を溶かし、水を分解―スゴすぎる発酵の力!
小泉武夫
現在の宇宙の姿(1)星はなぜ自ら輝くのか
星はなぜ自ら輝くのか…宇宙と銀河の「現在の姿」を概観する
岡村定矩
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
西洋文明の起源から見るグローバル化(1)グローバル化
古典を学び、教養ある人間を目指すことがヨーロッパの理想
納富信留
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高