立命館大学食マネジメント学部シリーズ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
食べ物のおいしさは味や匂いだけでは決まらない
「食」と「こころ」を考える
和田有史(立命館大学 食マネジメント学部 教授・大学院 食マネジメント研究科 教授)
おいしさの判断には、味覚だけではなく、視覚や嗅覚、また舌触り、温度、音などの感覚に加え、食事環境や食文化、心身の状態も関わってくる。立命館大学食マネジメント学部教授の和田有史氏が、具体的な事例を挙げながら、食と人間の感覚・認識の関係について解説する。
時間:13分54秒
収録日:2018年4月26日
追加日:2018年10月9日
カテゴリー:
≪全文≫

●食べ物をおいしそうに感じるかは、味や匂いだけでは決まらない


 立命館大学食マネジメント学部教授の和田有史です。今日は、「『食』と『こころ』を考える」というお話をします。食というと、食べ物のおいしさが気になると思います。しかし、この「おいしそう」というものは、味や匂いだけで決まるものでしょうか。

 例えば、こうした写真を見ているとき、どのような感じがするでしょうか。サンマの塩焼きは日本人が好む食べ物です。では、ウズラを同じように塩焼きにしたらどうでしょうか。ウズラの塩焼きは、頭がついているから気持ち悪いとおっしゃる方が多くいます。しかしよく考えてみると、サンマの塩焼きにも頭がついています。

 このように、食べ物が好きか嫌いか、あるいはおいしそうに見えるか否かというのは、人の経験によるところが非常に大きいのです。

 秋にその味と脂の乗りを楽しむサンマの塩焼きは、日本人に非常に人気な食べ物で、おいしそうに見えます。他方、ウズラの丸焼きは、日本ではあまり食べ慣れていない、あるいは見慣れていないものです。それ故、気持ち悪く、あるいはおいしくなさそうに見えてしまうこともあるのではないでしょうか。

 私たちは、イナゴの佃煮がどのように見えるかという実験をしてみました。日本でも昔は、内陸の方を中心に、イナゴの佃煮が広く楽しまれていました。この実験では、イナゴの他に、長野などでよく食べられている蜂の子、蚕のさなぎ、そして、東南アジア料理でたまに出てくるセミの炒め物、これらの写真を見ていただき、こういった昆虫食を「何か食べたことがあるか」と聞きました。

 上の図で、「よく食べたことがある」と答えた人が多い地域を濃い赤で示していますが、それは、日本では内陸地方に多いようです。図でグレーになっているところは、私たちのデータの不備で人数があまり取れなかった地域です。しかし、それを差し引いても、内陸に昆虫食経験者が多いことが分かります。年齢層で見ると、団塊ジュニア世代以上が35パーセント以上、つまり4割近くの人が食べた経験があります。しかし、それより若年の人たちは食べた経験が少ないようです。

 イナゴ、蜂の子、蚕...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎

人気の講義ランキングTOP10
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(5)美の裏に潜む恐ろしい側面
恐ろしい日本…常に何者かに見られ、個性が抑圧される社会
賴住光子
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子
新撰組と幕末日本の「真実」(7)「対テロ集団」としての新撰組
京都に吹き荒れたテロを鎮圧!…物語と史実の隙間を読み解く
堀口茉純
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(1)米を食べる日本人と『分裂病と人類』
日本人の生きづらさの特徴は?~中井久夫著『分裂病と人類』
與那覇潤
編集部ラジオ2026(7)10分解説!新撰組の魅力とは?
「新撰組」の真の魅力は史実と物語の隙間にあり
テンミニッツ・アカデミー編集部
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
水島昇
『孫子』を読む:地形篇(2)敗戦に至る「6つの特性」
「敗の道」と「上将の道」――現場のリーダーの心得として
田口佳史
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉